1996 Fiscal Year Annual Research Report
韓国全羅南道および済州島と沖縄の文化・社会の比較研究
Project/Area Number |
08041082
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Research Institution | Okinawa International University |
Principal Investigator |
波平 勇夫 沖縄国際大学, 文学部, 教授 (80088757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羅 景洙 全南大学校, 師範大学, 教授
崔 仁鶴 仁河大学校, 教授
羅 承晩 木浦大学校, 人文大学, 助教授
池 春相 全南大学校, 大学院・院長, 教授
ドライシュタット ダグラ 沖縄国際大学, 文学部, 講師 (90188467)
呉 錫畢 沖縄国際大学, 商経学部, 助教授 (30279418)
小川 護 沖縄国際大学, 商経学部, 助教授 (30248653)
稲福 みき子 沖縄国際大学, 文学部, 助教授 (50184502)
津波 高志 琉球大学, 法文学部, 教授 (90128489)
小熊 誠 沖縄国際大学, 文学部, 教授 (90185562)
平敷 令治 沖縄国際大学学長, 沖縄国際大学・文学部, 教授 (70088756)
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Keywords | 契 / 族譜 / 宗門会 / 祖先祭〓 / シャーマニズム / 施設園芸 / 環境問題 |
Research Abstract |
韓国全羅南道及び済州島と沖縄との文化的社会的類似と差異を析出し、地域交流と地域性の形成を明らかにすることがこの調査の目的である。初年度(平成8年度)は沖縄側からの研究者が、調査フィルドである全羅南道の漆石里及び済州島の納邑里を確認するとともに、そこを中心にそれぞれのテーマに沿って聞き取り調査と資料収集を実施した。具体的には社会共同互助組織「契」、祖先祭祀、シャーマニズム、施設園芸、経済開発と環境問題、宗門会、風水などである。 調査初年度の大きな成果は、韓国調査歴の比較的長いメンバーも短いメンバーも、それぞれのテーマに沿って調査の見通しがついたこと、関連資料が確認できたこと、またそのいくつかは収集できたことなどである。たとえば「契」に関する規約が漆石里で確認できた。また族譜を入手することも困難ではない。加えて韓国南部、済州島、そして沖縄における文化の類似点を確認でき、この三地点における文化比較が可能という確信を得ることができた。同時に文化の地域差も観察できた。民俗文化の変容も三地点とも共通している。文化変容と地域差が追跡できれば、一方では地域文化史、他方では地域の固有性が見出せるかも知れない。 経済開発と環境問題は三地点で同時に進行しており、どちらも今日的社会問題である。この問題への対応をめぐり社会や文化の差異が観察できるかも知れない。思いがけなく調査期間中に環境問題シンポジウムに参加できたことは有意義であった。 次年度は平成8年度の実績を踏まえて調査するとともに、韓国側研究者の沖縄調査に協力する予定である。
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