1998 Fiscal Year Annual Research Report
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08041084
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Research Institution | Kyoritsu Women's Junior College |
Principal Investigator |
植木 武 共立女子短期大学, 生活科学科, 教授 (20223448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ROVERT Edmon ハワイ大学, ホノルルコミュニティーカレッジ, 助教授
鈴木 一代 東和大学, 工学部, 助教授 (40261218)
新田 文輝 吉備国際大学, 国際社会学部, 教授 (10268641)
村上 征勝 文部省統計数理研究所, 領域統計研究系, 教授 (00000216)
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Keywords | 日米国際結婚 / 戦争花嫁 / 実態調査 / アンケート調査 / 面接調査 / 統計解析 |
Research Abstract |
3年継続の研究調査として始まった当該研究も、今年度が最終年となった。調査対象者は、終戦から1959年までにアメリカ軍人・軍属、あるいはオーストラリア軍人・軍属と結婚した、いわゆる戦争花嫁である。アンケートと面接調査の両方を行ってきたが、最終的成果は、前者が、アメリカ109例、オーストラリア44例、計153例であった。後者の面接は、本年度にハワイで行った面接10名を含め、50数名となった。性格検査は、戦争花嫁と比較検討するために、東京と福岡で同年輩の日本人女性を対象にアンケートを回収した。 アンケート調査は、3つからなる質問用紙を用意した。ひとつは、どこで生まれ、どこで学校へ行き、どのように夫と出会い、何人子供がいて、どのような仕事をして、今何をやっているか、というライフヒストリーに関するもの。残りふたつは、エゴダラムとYJ法とよばれる、ともに性格検査である。 昨年と今年は、二年続けて分析結果を、日本社会学会の大会で発表してきた。ライフヒストリーに関しては、アメリカ人、あるいはオーストラリア人と結婚した日本人女性間で、顕著な差が観察できたのは唯一出身県だけであった。アメリカ兵士が駐留したのは、日本各地であったが、オーストラリア兵士は、呉だけであったため、アメリカ兵と結婚した女性は全国各地からであったが、オーストラリア兵と結婚した女性は広島県に集中した。ライフヒストリーでは、出身県以外では明白な差は観察できなかったが、性格検査では面白い結果が出た。最終分析は終了していないが、アメリカとオーストラリアへ渡った戦争花嫁間の差が、エゴグラムでもYJ法の結果からも出てきた。また、戦争花嫁全体と、同年輩の日本人育ちの日本女性との間にも、かなり鮮明な相違が出た。この解釈については充分な注意が必要となるが、やはり、彼女たちがアメリカあるいはオーストラリアへ行き、そこで長きにわたり生活していく上で身につけた文化変容(acculturation)の結果と解釈して良いのではなかろうか
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 植木 武 他: "海を渡った花嫁たち(II)(1)戦争花嫁の背景" 第71回日本社会学会大会報告要旨. 439-440 (1998)
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[Publications] 鈴木一代 他: "(2)戦争花嫁たちの特性" 第71回日本社会学会大会報告要旨. 441-442 (1998)
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[Publications] 新田文輝 他: "(3)そのライフヒストリーの多様性と共通性" 第71回日本社会学会大会報告要旨. 443-444 (1998)