1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08041101
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
垣本 史雄 東京工業大学, 理学部, 教授 (00092544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
VELARDE Alfo ボリビア国立サンアンドレス大学, 教授
山田 豊 理化学研究所, 技術部, 職員
田島 典夫 理化学研究所, 技術部, 職員
荻尾 彰一 東京工業大学, 理学部, 助手 (20242258)
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Keywords | 宇宙線 / 空気シャワー / 核組成 / Knee領域 / 空気チェレンコフ光 / 縦方向発達 / 到着時間分布 / 加速源 |
Research Abstract |
本研究では、空気チェレンコフ光の到着時間分布をすることによって、一次宇宙線核組成を強く反映している大気上空での空気シャワー測定発達の様相を調べ、化学組成を決定することを目的としている。測定対象としているエネルギー領域は10^<14>から10^<16>eVであり、一次宇宙線エネルギースペクトルが顕著な変化を示している“Knee"領域にあたる。この変化は、一次宇宙線加速機構の変化、または、銀河系内伝播機構の変化によると考えられており、この領域の核組成の解明は極めて重要である。 平成8年度に続き、本年度もボリビア・チャカルタヤ山宇宙線観測所において、空気シャワーに付随した空気チェレンコフ光到着時間分布の測定を行った。この測定は光電子増培管を直接夜空に向けて行うため、新月を挟む2週間の月のない晴天夜に行われる。光電子増培管の受信信号は、最終的にデジタルオシロで解析され、8mmデータテープに記録される。この記録波形を計算機で解析し、波形を特徴づけるパラメータとして、記録波形をいったん時間積分し、その立ち上がり時間(波高値の10から90%にいたる時間)を決定する。測定した立ち上がり時間データは、一次宇宙線エネルギー、到来方向ごとに分類し、立ち上がり時間の分布を得る。この分布とシミュレーション結果を最尤法を用いて比較し、一次宇宙線化学組成を決定する。 現在はまだ観測途中であり、データ収量が不十分であるが、解析の途中結果を述べる。測定精度の制限から、化学組成を陽子,He,CNO,sub-Fe(Ne〜S),Feの5グループに分け、それぞれの成分比を信頼度90%で決定した。この結果10^<15.5>eV以下では平均質量数が10程度で推移し、それ以上のエネルギーでは徐々に増加することが分かった。また、10^<15>eVではHeとCNOグループが優勢となり、10^<15.5>eV以上ではNe〜Feグループの成分比が増加することが分かった。このような結果は、Knee領域の宇宙線の起源として、Wolf Rayet星などの星風を伴った大質量星の超新星爆発が最も有力であることを示唆している。以上の結果は、南アフリカ共和国ダ-バン市で7月末に開催された第25回国際宇宙線会議で報告し、らポーター報告でも取り上げられた。
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