1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08041102
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
磯崎 行雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (90144914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 慎 千葉大学, 理学部, 助教授 (10201930)
寺林 優 香川大学, 工学部, 助教授 (40243745)
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Keywords | 太古代 / 最古生命化石 / 展張応用力 / チャート / ピルバラ / 付加体 / 中央海嶺 / 熱水活動 |
Research Abstract |
1997年7月から8月にかけて、5人の研究者が西オーストラリア、ピルバラ地方を訪問し、主にノースポール地域にて詳細な野外調査を行った。また、その調査中に採取した約3トンに及ぶ岩石試料を日本に持ち返り、室内でさまざまな検討を行った結果、以下の事柄を明らかにした。 1)ノースポール地域に分布する35億年前の緑色岩・堆積岩コンプレックスは、太古代の海溝で形成された不加体の一部である。 2)枕状構造をもつ中央海嶺型の玄武岩質緑色岩の直上に数10メートル厚の層状チャートが累重する。これは太古代の遠洋深海堆積物であり、しばしば層状のバライト鉱床をともなう。 3)層状チャート直下の枕状溶岩はT-チャートと呼ばれる珪質脈に頻繁に貫かれる。その野外での産状は、これらの脈がシリカの通路として形成され、上位に重なる層状チャートの物質供給路であったことを示す。 4)T-チャートの配列パターンは、それらがもともと展張応力場で形成された正断層系であったこと、および堆積作用が変形作用と平行して進んだことを示す。 5)層状チャート中には、脱水構造が頻繁に認められ、急速な堆積作用で形成されたことを示す。 6)これらの堆積物とT-チャートがもつ希土類元素のパターンは、いずれも明瞭なユーロピウムの正異常を持ち、熱水が強く関与する中央海嶺軸部の産物である。 7)層状チャート中から、直径が10ミクロン程度で細長いチューブ状の微化石(おそらくバクテリア)を発見した。 世界最古の生命は太古代の中央海嶺軸部の熱水噴出口周辺の遠洋深海で生息していたと推定される。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Isozaki, Y.: "Contrasting two types of orogen in Permo-Triassic Japan:accretionary versus collisional." The Island Arc. 6. 2-24 (1997)
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[Publications] Isozaki, Y.: "Jurassic accretion tectonics in Japan." The Island Arc. 6. 25-51 (1987)
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[Publications] Maruyama, S., Isozaki, Y., Kimura, G., and Terabayashi, M..: "Paleogeographic maps of the JApanese Islands:Plate tectonic synthesis from 750 Ma to present." The Island Arc. 6. 121-142 (1997)
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[Publications] 磯崎 行雄: "生物大量絶滅とスーパープルーム" 科学. 67. 543-549 (1997)
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[Publications] 磯崎 行雄: "超海洋中央部のP-T 境界危機-古海山頂部の石灰岩の記録-" 神奈川博調査研報(自然). 8. 117-130 (1997)
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[Publications] Isozaki, Y.: "Permo-Triassic boundary Superanoxia and stratified superocean:Records from lost deep-sea." Science. 276. 235-238 (1997)
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[Publications] 丸山 茂徳・磯崎 行雄: "生命と地球の歴史" 岩波書店, 275 (1998)
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[Publications] Moores, E.M & Fairbridge, R.W.(eds.): "Encyclopedia of European and Asian Regional Geology,Chapman & Hall,London" Chapman & Hall,London(分担執筆), 436-449 (1997)