1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08041124
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Research Institution | International Center for Biotechnology, Osaka University |
Principal Investigator |
関 達治 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 教授 (50029245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LE Thanh Bin ベトナム国立バイオテクノロジー研究所, 助教授
NGVYEN Van U ベトナム国立熱帯研究所, 助教授
NGO Thi Mai ベトナム国立食品科学研究所, 準教授
DUENG Van Ho ハイノ大学, 応用微生物センター, 講師
SAVITREE Lim カセサート大学, 理学部, 教授
NAPHA Lotong カセサート大学, 理学部, 教授
藤尾 雄策 九州大学, 農学部, 教授 (90038224)
森永 力 広島大学, 工学部, 助教授 (40034417)
小崎 通雄 昭和女子大学, 生活理学, 教授 (80078055)
五十嵐 泰夫 東京大学大学院, 農業生命科学研究科, 教授 (90114363)
神尾 好是 東北大学, 農学部, 教授 (00109175)
木下 晋一 北海道大学, 工学部, 教授 (50029253)
飯野 久和 昭和女子大学, 生活理学, 教授 (00146911)
吉田 敏臣 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 教授 (00029290)
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Keywords | 伝統的発酵食品 / ベトナム / 微生物資源 / アルコール飲料 / 発酵調味料 / 漬け物 / スターター / ネ-ムチュア |
Research Abstract |
多様な機能を有する微生物を探索し、その機能を開発することは、天然資源、特に遺伝子資源の持続的開利用の立場から極めて重要な課題である。伝統的発酵食品中の微生物群は、人類が長い歴史の中で続けてきた食品開発の過程で選択されてきた結果であると考えると、有用微生物の有望な探索源の一つである。本研究では未だ伝統的手法が残っているインドシナ諸国の代表的なベトナムにおける伝統的発酵食品について調査し、今後の微生物探索と開発に資することを目的とした。 調査研究は一次(予備)調査と二次(本)調査に分けて実施した。予備調査では、本調査の協力を依頼することを目的とし、ベトナム国立科学技術センターに所属するバイトテクノロジー研究所(ハノイ市)および熱帯生物研究所(ホ-チミン市)、国立ハノイ大学微生物学科、国立ハノイ工科大学バイオテクノロジーセンター、国立ホ-チミン大学分子生物・微生物学科、食品工業研究所(ハノイ市)を訪問し、伝統的発酵食品生産の現状、同分野に関する研究状況、研究論文の有無等を調査し、本調査に対する協力を依頼した。 本調査では、東南アジアの発酵食品で著作の多いタイ・カセサート大学Napha Lotong教授、Savitree Limtong助教授の参加を得、日本側研究者9名が調査研究を行った。伝統的発酵食品に関する微生物の役割、生産プロセスに関する調査、ベトナム各研究機関の協力を得て行い、米を原料とするルオウータンなどのアルコール飲料系、ダイズを主原料とするヌヲ-フトウーンなどの調味料系、魚類・エビ類を原料とするネ-ムチュアーなど、野菜を主原料とするジュアーチュアー、漬け物系発酵食品に大別し得ること、また前者2つの発酵食品はリゾップス属カビ、およびサッカロミセス属酵母を主とするスターター微生物が関与しており、後者2種の食品には乳酸菌を主体とする微生物が関与していることが明らかになった。また生産現場調査を行い、製造工程における微生物と製品の関係を検討した。また試料を入手し、また研究論文を得て、分析を行っている。
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