1996 Fiscal Year Annual Research Report
環太平洋地域に分布するタイレリア原虫の分子系統進化
Project/Area Number |
08041130
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小沼 操 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (70109510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 和彦 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (90250498)
辻 正義 酪農学園大学, 獣医学部, 助教授 (10150088)
杉本 千尋 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (90231373)
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Keywords | タイレリア原虫 / 遺伝子多型性 / PCR |
Research Abstract |
今年度はまず中国を訪問し、エジンバラ大学のDr.Spoonerのグループと中国の原虫研究者らをまじえて中国のタイレリア原虫の性状ならびにワクチンによるコントロールについて会合をもった。日本からは私、杉本、辻の3氏が出席した。我々がこれまで調査した中国のタイレリア原虫の性状について報告した。併せて日本でのタイレリア原虫の遺伝的多型性ならびにワクチンによるコントロールの可能性について討論した。来年度は蘭州の獣医研究所を訪問して中国でのタイレリアのワクチン株の性状を一緒に解析することとした。次いでアメリカを訪問し、Dr.Brownの協力でタイレリア原虫1株を得た。この株は日本のタイレリア原虫の主要表面抗原(p32)遺伝子を増幅するプライマーを用いては増幅ができなかった。しかし、一昨年タイより得たタイレリア原虫の主要表面抗原遺伝子を増幅するプライマーを用いることにより増幅可能であった。このことからアメリカやタイに分布するタイレリア原虫は日本をはじめ東アジアに分布するT.sergenti/T.buffeliとは異なるタイレリア原虫であることが考えられる。現在この原虫の遺伝子の塩基配列を解析している。10月にオーストラリアを訪問しCSIROのDr.Waltisbuhlの協力でタイレリア原虫を1株得た。この分離株は解析したところT.buffeliの他に日本のタイレリア原虫T.sergentiのC型も含まれていた。この成績は論文にまとめ投稿中である。来年度再度訪問し、より多くの原虫を採集し解析することを計画している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kubota S.,et al: "Analysis of immunodominant piroplasm surface antigen alleles in mixed populations of Theileria sergenti and T.buffeli." International J.for Pasasitol.26. 741-742 (1996)
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[Publications] Onuma M.: "Workshop summary : Haemospordia" Veterinary Parasitology. 64. 167-169 (1996)
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[Publications] Kubota S.,et al.: "Population dynamics of T.segenti in persistently infected cattle and vector ticks analysed by a PCR." Parasitology. 112. 437-442 (1996)
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[Publications] Sugimoto C.,et al.: "Antigenic and genetic comparisons of benign Theileria species isolated from cattle in China,Korea and Japan" Veterinary Parasitology. (in press). (1997)