1998 Fiscal Year Annual Research Report
ポリネシア人の身体特徴の特異性に関する生物人類学的研究
Project/Area Number |
08041142
|
Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
片山 一道 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (70097921)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
OTTINO P. ORSTM, 考古学部門, 研究員
ULIJASZEK S. カーチン医科大学, 生物人類学教室, 講師
竹川 大介 北九州大学, 文学部, 助教授 (10285455)
南川 雅男 北海道大学, 地球環境科学研究科, 教授 (10250507)
柴田 紀男 天理大学, 国際文化学部, 教授 (60122363)
|
Keywords | ポリネシア人 / 身体特徴の特異性 / 生物人類学的研究 / 古人骨 / 安定同位体分析 / 古気候 / マンガイア語辞書 / アウトライヤー・ポリネシア人 |
Research Abstract |
いくつかの国で現地調査を本研究に関わる基礎資料を収集した。まずニュージーランドのチャタム諸島では、古人骨資料を調査するとともに、動物遺存体などを拾い集めて、古栄養や古環境を復元するための安定同位体分析用サンプルを収集した。そしてソロモン諸島のガダルカナル島やブーゲンビル島周辺では、アウトライアー・ポリネシア人が居住する島で彼らの生態学や生体学に関する各種のデータ類を採集した。 また前2カ年の間に現地調査などで集めた原資料やサンプル類を各研究分担者の研究室で整理して、古人骨資料や生体学的な資料からポリネシア人の身体形質の時代変化と地域変異を分析するとともに、動物骨などで炭素や窒素の安定同位体を分析することによってポリネシアの島々の古環境や古気候について地球化学的な分析を行った。東ポリネシア地域の石造物の時空変異についても比較分析した。 さらに特記すべきは、クック諸島のマンガイア語方言に関する英訳辞書を完成したことである。これは世界で初めての辞書であり、忘却の彼方に忘れ去られようとしているポリネシア語の方言を保存するための画期的な成果と言えよう。いくつかの研究成果を太平洋先史学会で発表した。それぞれの研究参加者が分担執筆して、前回までの研究成果も含めた公式報告書をクック諸島図書館博物館協会から刊行した。
|
-
[Publications] K.Katayama: "Auditory exostoses among ansient human poputaton" Anthrological Sciencs. 106(4). 285-296 (1998)
-
[Publications] 片山一道: "「オーストロネシア人」の身体特徴" 「オーストロネシアの民族生物学(平凡社)所収. 13-296 (1999)
-
[Publications] 小田寛貴ほか: "クック諸島マンガイア島ワイロロガ遺跡出土木炭の放射性炭素年代" 名古屋大学加速器質量分析計業績報告書. 印刷中. (1999)
-
[Publications] 柴田紀男: "Mangaian‐English Dictionary" Prehistoric Cook Island. Part2. 1-401 (1999)
-
[Publications] 片山一道: "考える足" 日本経済新聞社, 270 (1999)
-
[Publications] 片山・柴田(編): "Prehistonic Cook Island :Part1およびPart2" Cook Islands Library and Museum Society, 660 (1999)