1998 Fiscal Year Annual Research Report
湿潤熱帯山地における樹木の葉のフェノロジーに関する研究
Project/Area Number |
08041148
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
菊沢 喜八郎 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (50271599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RIMI Repin サバ自然公園博物館, 研究員
JAMILI Nais サバ自然公園博物館, 主任研究員
北山 兼弘 森林総合研究所, 主任研究官
湯本 貴和 京都大学, 生態学研究センター, 助教授 (70192804)
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Keywords | キナバル山 / 常緑性 / 落葉性 / 葉寿命 / 開葉様式 / 落葉時期 / 開葉時期 |
Research Abstract |
マレーシア国ボルネオ島、サバ州に所在する高度4101mのキナバル山において、森林樹木の葉のフェノロジーに関する調査と、それに関連する調査を行った。ここに葉のフェノロジーとは、樹木の葉の季節性に関する研究のことであり、開葉時期、落葉時期、開葉様式、常緑・落葉性、葉の寿命等についての研究を含む。事前のシミュレーションにより、この山地においては全ての樹木が常緑性を示すこと、しかしながら、葉の寿命が1年未満のものおよび1年以上のものを含むであろうことが予測された。現地調査の結果、この予測は裏付けられ、常緑性であっても葉の寿命の短い樹種と長い樹種が存在した。短いものとしては高標高ではRubus lineatus,中標高ではMacaranga rostrata,Ficusspp,低標高ではMacaranga gigantea,M.hypoleucaなどが認められた。開葉様式には一斉型と順次型があり、一斉型を示す樹種としてはNeolitsea spp,Rhododendron spp,Castanopsisspp,Quercus spp,Eugenea sppなどが、順次型としては、Macaranga spp,Rubus sppなどが認められた。開葉時期は樹種によって様々であったが、乾燥の卓越する3月を中心にして多くなる傾向があった。
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