1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08041156
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
田中 彰 東海大学, 海洋学部, 教授 (90138636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WONGRAT P. カセサート大学, 水産学部, 講師
大竹 二雄 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (20160525)
村上 昌弘 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (70134517)
渡部 終五 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40111489)
谷内 透 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00012021)
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Keywords | 淡水エイ / チャオプラヤ川 / メコン川 / ガンジス川 / 淡水適応 / 系統類縁 / 分布生態 / 保護 |
Research Abstract |
タイ王国のチャオプラヤ川とメコン川での調査は平成8年10月31日から11月11日の間、カセサート大学のWongrat博士とともに行い、チャオプラヤ川では淡水エイHimantura signifer5個体、H.chaophraya 1個体から各研究分野の試料を採取し、メコン川ではDasyatis laosensisと考えられる1個体が得られ、現在分類学的な研究を行っている。また、事前にWongrat博士により採集された淡水エイD.laosensisとH.krempfi各1個体を調査した。汽水、沿岸域から淡水エイと近縁な2種類のエイを採集し、比較標本として試料の分析を行っている。H.chaophrayaは体盤幅で2m近くなる大型な淡水エイであるが、大型個体は年間数個体しか捕獲されず、生息数の減少が危惧されている。平成9年3月5日から3月12日の調査ではラオス領パクセ近郊のメコン川で標本入手を試みたが、入手できなかった。しかしながら、カンボジヤとの国境近くのコーン周辺のメコン川及びアタプ周辺のセコング川で入手可能である情報を得たので、次年度その周辺での調査を行う予定である。また、12月から2月にかけてWongrat博士により採集されたH.chaophrayaとH.signiferの計測解剖を行い試料を得、更に未記載種と思われる個体を日本に持ち帰り分類学的な研究を行っている。 インドではカルカッタにあるインド動物調査局に保存されている約100年前にフ-グリ川河口で採集されたGlyphis gangeticusと思われる個体の調査を行った。ガンジス川中流域の調査ではバ-ガルプール大学のSrivastava教授を訪問し、12月に近郊で採集したという4種のエイHimantura bleekeri,H,uarnak,H.gerrardi,H.sp.の調査を行い、更にそれらが採集できるファラッカ周辺のガンジス川を視察した。バングラデッシュではダッカ、ラシャヒ周辺のガンジス川下流域、コックスバザ-ル周辺の沿岸域でのサメ、エイ類の分布状況をダッカ大学のQuddus教授とともに聞き込み調査を行い、夏季にガンジス川で採集可能であるとの情報を得た。
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