1998 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジアにおける淡水魚類の流行性潰瘍症候群(EUS)に関する研究
Project/Area Number |
08041159
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Research Institution | Nippon Veterinary and Animal Science University (NVAU) |
Principal Investigator |
畑井 喜司雄 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 教授 (30164841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉田 修 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 助手 (90277666)
和田 新平 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 講師 (90220954)
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Keywords | 東南アジア / 淡水魚 / 流行性潰瘍症候群(EUS) |
Research Abstract |
当該年度は、バングラデッシュにおいて流行性潰瘍症候群(EUS)の病魚を検査し、それらからの原因菌の分離を行った。今回の調査旅行は、ダッカ大学水産学部のDr.Armedおよびその門下生の全面的な協力を得て実施された。彼らは、採材旅行のコーディネイトおよび現地漁民との通訳の労を取ってくれた。 1998年12月および1999年1月の計2回現地において病魚の採集を実施した結果、いずれの回においても多数のEUS病魚を採集できた。それらのほとんどは、小規模な村落の共同水源として利用されている人工池において採取されたものであり、一部は洪水後に形成された沼地で採取された。村落内の人工池は、住民の洗濯、食器洗いおよび沐浴に利用されており、ほとんどの場合雨水だけが水源であることから、すべて高度に汚濁していた。 病急の体表には、発赤、白濁、立鱗、脱鱗、糜爛、潰瘍等の様々な病変が観察され、患部断面の躯幹筋はしばしば白濁していた。病理組織学的検査の結果、ほとんどの採取固体の患部組織内に真菌の菌糸の伸長と、それらを取り囲む肉芽腫が観察された。また、原因菌と思われるAphanomyces属真菌も3株分離できた。これら分離株の生物学的・化学的性状および病原性については、現在検討中である。
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