1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08041166
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Research Institution | Central Institute for Experimental Animals |
Principal Investigator |
谷岡 功邦 , 財・実験動物中央研究所・霊長類研, 室長 (10072406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鮑 世民 上海実験動物中心, 研究員
石井 一 財, 実験動物中央研究所・霊長類研, 研究員
伊藤 守 財, 実験動物中央研究所・免疫研究室, 室長 (00176364)
斉藤 宗雄 財, 実験動物中央研究所・飼育技術研究室, 部長 (50167417)
野村 達次 財, 実験動物中央研究所, 所長 (10072399)
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Keywords | 小型ブタ / 発育比較 / 繁殖成績 |
Research Abstract |
実験用の超小型ブタを開発する目的で、中国およびベトナムの在来小型ブタについて、体格のできるだけ小さいものを見つけてその体型や繁殖性等を調査している。昨年度は、中国東南部に位置する海南島の在来小型ブタの調査を実施したが、すでに交雑が進み実験動物の対象になる小型のものは見つからなかった。本年度は、ベトナム中部のラオス国境沿いの山岳地帯、ならびにベトナム南部のバンメトート地域の小型ブタについて調査した。 いずれの地域も一帯の少数民族部落を訪ね、そこで所有しているブタの視察調査を実施した。その結果、中部ではシーオーツーと総称される黒色(一部白の混じる個体もある)の小型ブタを、また南部ではウンディーという縞茶の小型ブタをそれぞれ見つけることができた。これらのブタは、いずれも体型としては他の中国産小型ブタよりも小さかったが、期待していた程極めて小さいものではなかった。しかし、現在日本で保有しているゲッチンゲン由来系あるいはクラウン系のミニブタと比べると明らかに小さいものであり、新たな超小型ブタ作出のための基になりうるものであると判断された。ベトナムでは交雑によるブタの大型化が加速しており、純粋な小型原種は急速に失われつつある。できるだけ早く遺伝資源を実験動物化に導入する必要性を強く感じたが、現地では依然病気の流行のあることが調査の結果判明し、現時点での日本へのブタの輸入は困難となっている。3年間の調査を通じ、中国ならびにベトナムにおける在来小型豚の存在の実体がほぼ判明し、実験動物の基とすべき小型種を特定することができた。
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