1996 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカイン遺伝子導入と遺伝子欠損モデルを用いたヒト癌・遺伝子治療の国際調査研究
Project/Area Number |
08042007
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡田 全司 九州大学, 生体防衛医学研究所, 助教授 (40160684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SMITHIES Oli ノースカロライナ大学, 医学部, 教授
ROSENBERG St 米国国立癌研究所, 外科部門, 部長
GILLIS Steve コリキシア研究所, 所長
NABEL Gary.J ミシガン大学, 医学部, 教授
MULLIGAN Ric ハーバード大学, 医学部, 教授
秋吉 毅 九州大学, 生体防衛医学研究所, 教授 (70038660)
安部 真佐子 九州大学, 生体防衛医学研究所, 助手 (30222665)
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Keywords | GM-CSF遺伝子 / IL-6遺伝子 / ヒト癌特異抗原遺伝子 / transgenicマウス / キラーT細胞 / サイトカイン遺伝子治療 / LeIF遺伝子 / 抗ヒト癌効果 |
Research Abstract |
1.Mulligan Dr.(ハーバード大;約20名のDr.と情報交換)のGM-CSF遺伝子治療はヒト・メラノーマ患者に有効で、浸潤好酸球が重要な役割を果たしている。IL-12遺伝子とMAGE遺伝子を導入したアデノウイルスベクター投与でマウスで抗癌効果あり。すでに我々はDr.Mulliganと共同研究を行っておりGM-CSF遺伝子とIL-6遺伝子の抗腫瘍相乗作用を得ており、これらにIL-12とMAGE geneをさらに組み合わせて共同研究を計画。 2.Rosenberg Dr.(NCI)はサイトカイン(IL-2,IL-12,又はGM-CSF等)とヒト癌特異抗原(gp100,MART-1)遺伝子治療を組み合わせてヒト・メラノーマと腎癌患者に有効例を見い出した。 3.Smithies Dr.(ノースカロライナ大;約15名のDr.と情報交換)は1コピーのDNAを生理的に導入しうるtransgenicマウス作製楊ベクターOS-dupdelを世界で初めて開発し、我々にこのベクターを供与してくれた(サイトカインtransgenicマウス作製共同研究開始)。又、MIP-1αノックアウトマウスを入手し、共同研究を予定。 4.Gillis Dr.(コリキシア研究所;約20名のDr.と情報交換)よりライシュマニアよりクローニングしたLeIF geneで作製したリコンビナントLeIFをmicrosphereに封入したサンプルを供与された。これは強力な抗腫瘍免疫増強作用を発揮し、これとIL-6遺伝子と組み合わせる共同研究がスタートした。その結果、極めて強力なキラーT分化相乗効果(抗マウス腫瘍効果)がこの共同研究のLeIF+IL-6 gene組み合わせで最近明らかとなった。又、Gillis Dr.はヒト乳癌特異抗原のcDNAを世界で最初に発見(ヒト・メラノーマ以外のヒト癌で初めて)した。IL-15を用いて抗腫瘍効果を示した(IL-15発見者のDr.Grabsteinと情報交換)。 5.Nabel Dr.とのHLA-B7 liposomeとIL-6 geneの組み合わせでSCID-huの系で抗ヒト癌効果の増強が認められた。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Tanaka,F: "The anti-human tumor effect and generation of human cytotoxic T cells in SCID-PBL/hu mice by the in vivo transfer of the IL-6 gene using adenovirus vector" Cancer Research. April (in press). (1997)
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[Publications] Ezaki,I: "Human monoclonal rheumatoid factors augment arthritis in mice by the activation of T cells" Clin.Exp.Immunol.104. 474-482 (1996)
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[Publications] 岡田全司: "IL-6を用いた癌の免疫療法" 治療学. 30. 90-94 (1996)
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[Publications] 岡田全司: "IL-6遺伝子を用いた遺伝子治療" 血液・腫瘍科. (印刷中). (1997)
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[Publications] 岡田全司: "ヒト腫瘍のモデル-ヒト癌に対するサイトカイン遺伝子治療モデル" 日本疾患モデル学会誌. (印刷中). (1997)
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[Publications] Okada,M: "The potential application and limitation of cytokine/growth factor manipulation in cancer therapy "Cell proliferation in cancer,Regulatory mechanism of neoplastic cell growth"" Oxford University Press, 26(397) (1996)
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[Publications] 岡田全司: "サイトカインと腫瘍免疫“新医科学大系第8巻B 免疫応答-生体の防御機構II"" 中山書店, 16(341) (1996)
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[Publications] 岡田全司: "ヒト腫瘍のモデル(SCID-PBL/hu疾患モデル)“SCID疾患モデル研究"" 日本医学館, (印刷中) (1997)
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[Publications] 岡田全司: "遺伝子治療“メディカル用語ライブラリー;免疫疾患"" 羊土社, 3(199) (1996)