1997 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカイン遺伝子導入と遺伝子欠損モデルを用いたヒト癌・遺伝子治療の国際調査研究
Project/Area Number |
08042007
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
岡田 全司 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (40160684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GANSBACHER B ミュンヘン工科大学, 臨床実験研究所, 所長
SMITHIES Oli ノースカロライナ大学, 医学部, 教授
ROSENBERG St 米国国立癌研究所, 外科部門, 部長
NABEL Gary J ミシガン大学, 医学部, 教授
MULLIGAN Ric ハーバード大学, 医学部, 教授
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Keywords | GM-CSF遺伝子 / ヒト癌特異抗原 / IL-6遺伝子 / HLA-B7遺伝子 / キラーT細胞 / サイトカイン遺伝子治療 / 抗ヒト癌効果 / transgenic マウス |
Research Abstract |
1.Mulligan Dr.(ハーバード大)を九大・生医研へ招聘。ハーバード大学で治療を行っているGM-CSF遺伝子治療のヒト・メラノーマ(進行癌)21例を教示。Phase I studyでDTH反応増強。我々は共同研究でアデノウイルスベクターに組み込んだIL-6遺伝子とGM-CSF遺伝子の担癌マウス生体内投与で著明なキラーT分化相乗効果を示した。VEGFキメラT細胞レセプター発現T細胞を作製し担癌マウスにadoptive transferし抗腫瘍効果を示した。 2.Rosenberg Dr.(NCI)(岡田を派遣)はリコンビナントヒト・メラノーマ癌特異抗原gp100のペプチド(209-217の9個のアミノ酸で210番目をメチオニンに置換)皮下注射+リコンビナントIL-2大量投与で31例のメラノーマ転移の癌患者のうち13例の患者(42%)で癌の縮小を認めた(New Engl J Med in press)。ペプチド単独では20例中1例に有効で、IL-2単独では62例中15%であった。このようにgp100ペプチド+IL-2が有効であることが示された。 3.Nable Dr.(ミシガン大学)(岡田を派遣)はヒト・メラノーマに直接HLA-B7遺伝子(欧米では大多数がHLA-B7陰性)をリポソームを用いて導入した。その結果25例中10〜25%でlocal tumor regressionや肺転移の消失を示した。さらにヒト大腸癌・乳癌でHLA-B7遺伝子治療行っている。さらに、共同研究でHLA-B7遺伝子リポソーム+IL-6geneの組み合わせでSCID-huの系で抗ヒト癌効果の増強が認められた。 4.Gansbacher Dr(ミュンヘン工科大学)を九大・生医研に招聘。IL-2gene+γIFNgeneによる抗腫瘍効果ならびにヨーロッパにおける遺伝子治療の情報を得た。 5.Smithies Dr.(ノースカロライナ大)と共同研究でtransgenicマウスの作製を試みている。 6.Gillis Dr.(コリキシア研)と共同研究でLeIF+IL-6geneの相乗的抗腫瘍効果を得た。
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[Publications] Tanaka, F: "The anti-human tumor effect and generation of human cytotoxic T cells in SCID-PBL/hu mice by the in vivo transfer of the IL-6 gene using adenevirus vector" Csncer Research. 57. 1335-1343 (1997)
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[Publications] Maeda, T: "Two sisters with Ehlers-Danlos syndrome and congenital heart anomalies" Internal Medicine. 35. 200-202 (1997)
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[Publications] 岡田 全司: "IL-6遺伝子を用いた遺伝子治療" 血液 腫瘍科. 34. 353-363 (1997)
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[Publications] 岡田 全司: "ヒト腫瘍のモデル-ヒト癌に対するサイトカイン遺伝子治療モデル" 日本疾患モデル学会誌. (印刷中). (1998)
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[Publications] 岡田 全司: "腫瘍の免疫機構を介する遺伝子治療" 臨床医. (印刷中). (1998)
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[Publications] 岡田 全司: "ヒト腫瘍のモデル(SCID-PBL/hu疾患モデル)“SCID・疾患モデル研究"" 日本医学館, 14(148) (1997)
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[Publications] 岡田 全司: "ヒト腫瘍モデル総論“SCID・疾患モデル研究"" 日本医学館, 15(148) (1997)