1996 Fiscal Year Annual Research Report
マレーシアにおける口腔がん,口腔前がん病変発症要因についての疫学的研究
Project/Area Number |
08042012
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
深野 英夫 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (00231556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 秀夫 新潟大学, 歯学部, 教授 (00157629)
前田 初彦 愛知学院大学, 歯学部, 助教授 (30175591)
池田 憲昭 国立国際医療センター, 地域保健医療研究部, 研究員 (30150791)
嶽崎 俊郎 愛知県がんセンター, 疫学部, 主任研究員 (50227013)
浜嶋 信之 愛知県がんセンター, 疫学部, 室長 (30172969)
伊藤 宜則 藤田学園保健衛生大学, 衛生学部, 教授 (50087665)
GUPTA P.C. TATA基礎研究所, 主任研究員
RAZAT I.A. マラヤ大学, 歯学部, 教授
NOR G.M. マラヤ大学, 歯学部, 助教授
ZAIN R.B. マラヤ大学, 歯学部, 助教授
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Keywords | 患者・対照研究 / 口腔前癌病変 / 栄養 / 口腔習癖 / ベータ-カロチン |
Research Abstract |
クアラルンプールより西約80kmのカレイ島に居住しているインド系タミル住民416名(男性125名、女性291名)(平均年齢46歳)を対象に口腔検診を行った。検出された口腔白板症患者(男性27例、女性52例)および口腔扁平苔癬患者(女性19名)と性、年齢をマッチさせた住民対象(1:1)に対して生活習慣および1日食事量と種類について面接調査した。同時に血液採取し、いくつかの血液マーカーを測定した。 1.5月 疫学調査対象地域についての予備調査を行い、検診票・質問調査票を英語とタミル語にて作成した。検診者に対する標準化を行った。 2.7月 政府関係者、ヤシ園管理者、ヤシ園付属医療施設医療従事者、ヤシ園住民代表、マラヤ大学関係者との会議を行い、協力体制を確保した。 3.8〜9月 口腔がん疫学調査開始。 検診者に対する再標準化を行った後、口腔検診・質問調査・採血を行った。検診陽性者について、マラヤ大学・口腔外科において生検を行った。 4.10月 疫学調査分析。 栄養を除く危険因子について、口腔前癌疾患についての症例対照研究を行った。 調査地域住民においては、白板症或いは口腔扁平苔癬の要因について検討し、喫煙・飲酒・義歯の有無・教育環境では症例と対照の間に差は見られなかった。Betel quid咀嚼習慣が、男性白板症では症例88.9%に対し、対照63%、女性白板症では、症例98.1%に対し、対照55.8%、女性口腔扁平苔癬では、症例84.2%に対し、対照47.4%の割合でみられた。いづれも統計学的に有為な差を認めた。このことから、Betel quid咀嚼習慣が口腔前癌疾患の発生に対して関連があると思われた。 その他の要因として、現在栄養調査を分析中である。また、同様の調査をサバ、サラワク州の原住民(Other Bumiputra)を対象に行い、口腔前癌病変発生要因の民族的差異を調査する予定である。
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