1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08044049
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
齋藤 悌二郎 東北大学, 理学部, 助教授 (70004322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GARIBALD Fra サニタ高等研究所, 教授
BAKER Oliver ハンプトン大学, 助教授
PUNJABI Vina ウイリアム, メリー大学, 教授
FRULLANI Sal サニタ高等研究所, 教授
加藤 静吾 山形大学, 理学部, 教授 (70013422)
PERDISAT Cha ウイリアム, メリー大学, 教授
上野 博昭 山形大学, 理学部, 教授 (50007241)
須田 利美 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30202138)
今野 収 東北大学, 理学部, 助手 (90004449)
山屋 尭 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00004367)
中川 武美 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70004348)
前田 和茂 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20125652)
寺沢 辰生 東北大学, 理学部, 助教授 (40004436)
坪田 博明 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70005792)
笠木 治郎太 東北大学, 理学部, 教授 (10016181)
橋本 治 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50092292)
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Keywords | 電子線 / ハイパー核 / K中間子 / 形状因子 / セプタム電磁石 / 超伝導 / 散乱槽 / ビームダクト |
Research Abstract |
1.本年度の調査研究は、ほぼ調査実施計画通りに行った。 齋藤、加藤が平成8年5月9日から5月14日までアメリカ合衆国のジェファソン研究所(旧連続電子線加速器研究所CEBAF)に、ホールAでのハイパー核実験ミーティングに出席するため出張した。イタリア側が、超伝導セプタム電磁石を用いる設計について説明し、日本側は常伝導セプタム電磁石の設計の説明を行い、検討した結果、4GeV/cの粒子の測定も可能にしておくために、超伝導セプタム電磁石を採用することにした。電子線によるハイパー核実験のための装置の分担について議論し、常伝導セプタム電磁石はイタリア側で、散乱槽、ビームダクト、補正コイルを日本側で分担することになった。 2.齋藤、寺沢が平成8年7月27日から8月11日まで、先の会議で決まった日本側で分担する装置の設計に必要な配置の決定やパラメータの測定など現地調査をするため、ジェファソン研究所に出張した。既存の散乱槽、ビームダクト周りを実測すると共に、写真に収め、散乱槽、ビームダクト、ターゲット・ホルダー等の必要な設計資料を収集した。又我々が10月に参加を予定しているホ-スCでのp(e,e′K^+)実験の打合せに出席し、実験の準備状況を把握した。 3.平成8年9月30日から11月4日の間に齋藤、寺沢、坪田、木野(研究協力者)がp(e,e′K^+)実験(スポ-クスマン:ハンプトン大 ベイカ-教授)に参加するために、栗原(研究協力者)が電磁石電源等の調査のために、ジェファソン研究所に出張した。このp(e,e′K^+)の実験は運動量移行が0.5〜2.0GeV/cの領域でこの反応の断面積を縦、横成分に分離して測定し、縦成分断面積からK中間子の形状因子を求めることを目的としたもので、この種のデータは存在せず画期的な実験である。実験は加速器、測定器とも初期故障が頻繁に起こり、データの収集率は50%以下であったが、予定したデータは取り終えた。現在データ解析が順調に進められている。1997年4月のアメリカ物理学会に"Momentum transfer dependence of the ^1H(e,e′K^+)Λ cross section"他二篇の口頭発表が予定されている。 4.本研究ではセプタム電磁石を用いるため標的位置を従来の位置より80cm上流に移動する必要がある。このため新散乱槽が必要となる。この散乱槽は入射ビームを標的に当て、散乱電子、放出K中間子等全てを真空中で取り扱う為に必要なもので、直径1m,高さ1.2mの円筒型で、材質としては軽量、放射化の軽減の観点から、アルミが最適である。固体標的の他に、ジェファソン研究所所有のクライオ標的を装着できるよう、既存の散乱槽と同じ構造にする。散乱槽には前方散乱測定のためのセプタム電磁石へ散乱電子及びK中間子を導くための真空ダクトが取付けられる。全体の真空度は加速器の真空度と同じ10^<-16>Torrに保つ必要がある。この散乱槽、真空ダクト等を製作するため、増額申請を行い、増額が認められたので、平成9年3月に散乱槽、真空ダクト等を製作した。
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