1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08044110
|
Research Institution | Institute Fundamental Chemistry |
Principal Investigator |
福井 謙一 基礎化学研究所, 所長 (40025739)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GASPARD Pier ブリュッセル自由大学, 上級研究員
HANGGI Peter アウグスブルグ大学, 教授
COALSON Rob ピッツバーグ大学, 助教授
田崎 秀一 基礎化学研究所, 副主任研究員 (10260150)
長岡 正隆 基礎化学研究所, 副主任研究員 (50201679)
|
Keywords | 量子拡散モデル / 非線形効果 / 量子カオス / 拡散過程 / 非可積分力学系 / 散逸過程 / 非平衡定常状態 / 緩和過程 |
Research Abstract |
本国際共同研究では化学反応の多次元性に重点を置きながら、化学反応が、(a)時間に依存した量子動力学過程である事と、(b)非線形・非平衡過程である事、の2点に焦点を当てて研究を進めた。まず、(1)大自由度多体系である化学反応系を粗視化して捉えた理論モデルの構築と、(2)多次元系の化学反応理論に必要不可欠かつ有力な理論的手法の検討、を行なった。初年度は、研究計画書並びに交付申請書記載の研究計画に沿って、以下の共同研究を進めた。 1、長岡は,平成9年3月27日に基礎化学研究所を訪問したP.Reimann博士(アウグスブルク大学のHanggi教授の研究協力者)と、多次元のもつ非線形効果を少数自由度ミルトニアンのポテンシャル揺らぎとして繰り込む物理的手法の開発について共同研究を行なった。また、Gaspard博士が平成9年3月29日に基礎化学研究所を訪問した際に、量子拡散過程に関する波動関数アプローチ(量子状態拡散モデル)を凝縮系の多自由度化学反応系への適用に関する共同研究を行なった。さらに、Coalson教授が平成8年9月26日から10月7日まで来日した際に基礎化学研究所にて、凝縮系において有機分子の誘電緩和過程における回転緩和の重要性について議論を深め今後の指針を検討した。 2、田崎は、平成8年6月19日から7月13日までブリュッセル自由大学にてGaspard博士とHopf分岐の確率的扱いと「多重パイこね変換」とその変形版における非線形・非平衡定常状態と緩和モードなどに関する共同研究を行なった。また平成9年3月にはGaspard博士とこれらを継続して研究した。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] M.Nagaoka and P.Gaspard: "Stochatic Quantum Dynamics for Chemical Reactions in Solution" J.Chem.Phys.(発表予定).
-
[Publications] P.Reimann,M.Nagaoka and P.Haggi: "A Chemical Reaction Theory Coupled to the Nonequilibnium Environment" J.Chem.Phys.(発表予定).
-
[Publications] S.Tasaki and P.Gaspard: "Eigenvalue Problem of Evolution Operators and Disspation in Conservative Maps" 物性研究. 66. 21-44 (1996)