1996 Fiscal Year Annual Research Report
放射光による機能性無機化合物の変調構造と電子密度分布の研究
Project/Area Number |
08044132
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石澤 伸夫 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (90151365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
STRELTSOV Vi 西オーストラリア大学, 結晶学センター, 助手
MASLEN Edwar 西オーストラリア大学, 結晶学センター, 教授
SIEGBERT Sch オーストラリア国立大学, 化学研究所, 研究員
WITHERS Ray オーストラリア国立大学, 化学研究所, フェロー
THOMPSON Jho オーストラリア国立大学, 化学研究所, 上級研究員
田平 泰規 日本大学, 文理学部, 助手 (80272722)
丸茂 文幸 日本大学, 文理学部, 教授 (10013492)
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Keywords | 電子密度 / 単結晶X線回折 / 放射光 / 機能性無機化合物 / 変調構造 / 消衰効果 / 微小結晶 |
Research Abstract |
平成8年7月にE.N.Maslen教授およびV.Streltsov博士が来日し、研究代表者と共同で、高エネルギー物理学研究所放射光実験施設にて多くの機能性酸化物単結晶の回折データの収集を行なった。また、V.Streltsov博士、E.N.Maslen教授および研究代表者によって測定されたアルカリ土類炭酸塩中の炭酸イオンのまわりの電子密度分布が、イタリアの理論グループが計算で求めたそれとほぼ完全に一致することを確かめた。 一方、丸茂文幸教授、田平泰規博士、および研究代表者によって斜方輝石、およびコバルトを含むオリビン単結晶の回折強度データが放射光を用いて収集され、コバルト原子まわりの非球対称的な電子密度分布等、新しい知見が得られた。 平成8年8月には田平泰規博士、丸茂文幸教授、E.N.Maslen教授、V.Streltsov博士、S.Schmidt博士が米国シアトルで開催された国際結晶学連合会議に出席し、今までの研究成果を発表するとともに、今後の方向に関する詳細な検討を行なった。 研究代表者によって、10ミクロン程度の大きさをもつ微小単結晶から、消衰効果に対する補正を必要としない高品位の回折データの収集方法が実験的に確立された。研究代表者は8月に西オーストラリア国立大学を訪問し、E.N.Maslen博士およびV.A.Streltsov博士とともにBa2ErCl7やYVO4等のレーザ材料用結晶の回折データの解析を行なった。 平成8年11月にはS.Schmidt博士が来日し、研究代表者と共同で、高エネルギー物理学研究所放射光実験施設にて変調構造をもつNb-Ta系複合酸化物等の新しい機能性酸化物単結晶の回折データの収集を行なった。
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[Publications] E.N.Maslen: "A Synchrotron X-ray Study of the Electron Density in SmFeO_3" Acta Crystallographica B. 52・3. 406-413 (1996)
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[Publications] E.N.Maslen: "A Synchrotron X-ray Study of the Electron Density in C-type Rare Earth Oxideds" Acta Crystallographica B. 52・3. 414-422 (1996)