1997 Fiscal Year Annual Research Report
重力場および微小重力場における液体燃料表面上の火炎伝ぱに関する研究
Project/Area Number |
08044161
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Research Institution | OITA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
伊藤 昭彦 大分大学, 工学部, 助教授 (30127972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小西 忠司 大分工業高等専門学校, 助教授 (00225468)
鳴海 明 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (50100764)
CREMERS Clif ケンタッキー大学, 工学部, 教授
SAITO Kozo ケンタッキー大学, 工学部, 教授
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Keywords | 燃焼 / 液体燃料 / 火炎伝ぱ / 微小重力 / 表面張力流 / 浮力 / 引火点 / 蒸気濃度 |
Research Abstract |
液体燃料表面上の火炎伝ぱにおよぼす重力の作用を明らかにするとを目的に、平成8年度は地上(重力場)での引火点温度近傍(Sub-Flash状態)と引火点以上(Super-Flash状態)の両方について実験的に調査するとともに、NASAルイスセンターSALプロジェクトで行われたロケット実験による微小重力場での火炎伝ぱ実験と比較検討を行った。これらの過程で、とりわけSub-Flash状態で生じる振動火炎伝ぱに重力の作用が著しいことが判明した。振動火炎伝ぱは、液相内の渦の生成過程と気相内の可燃混合気の形成過程の相互作用によって起こるので、これを明らかにするために本年度は 1) 液相内の渦の生成と液表面温度に果たす重力の作用を明確にする、2) 気相内での可燃混合気の形成に果たす重力の作用を明確にする、の2点に焦点を絞って研究を行った。以上の結果、以下の知見を得た。 (1) 伝ぱする火炎先端前方の液相内での渦の形成に伴って、液表面温度が低下する領域が存在する。この低温領域の表面温度が引火点温度を越えると火炎はクローリング状態からジャンプし、振動火炎伝ぱが生じる。 (2) 液相内の浮力は温度差をなくす方向に作用する。浮力のない微小重力場では、液表面の低温領域は大きくかつ引火点を越えずにクローリング状態で伝ぱする。 (3) 気相での燃料蒸気濃度は液表面の低温領域上方で低下する。しかし、火炎の浮力と液表面張力の相互作用によって生じる再循環流が蒸気濃度を均一化する方向に作用する。 (4) 微小重力下でも、火炎の浮力によって生じる流速に相当した対向流中で火炎は伝ぱするが、その速度は地上での速度のおよそ1/2となる。この原因は気相より液相内浮力の作用がないことによる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] A.Ito: "The Measurement of Transient Two-Dimensional Profiles of Velocity and Fuel-Concentration over liquids" Proceedings of the ASME Heat Transfer Division. HDT-352. 141-148 (1997)
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[Publications] T.Konishi: "Transient Two-Dimensional Fuel-Concentration Measuremen Technique" Applied Optics. 36,33. 8815-8819 (1997)
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[Publications] T.Konishi: "Liquid Convection Underneath Fuel Surface due to Evaporatio" Theoretical Applied Mechanics. No.46. 231-236 (1997)
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[Publications] 小西 忠司: "液体燃料表面上を伝ぱする火炎先端近傍の濃度分布" 第35回燃焼シンポジウム講演論文集. 368-370 (1997)