1996 Fiscal Year Annual Research Report
多価重イオン照射による酸化物超伝導体のスパッタリングの研究
Project/Area Number |
08044166
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
寺澤 倫孝 姫路工業大学, 工学部, 教授 (20197792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
STOCKLI Mar Kansds State Univ, Assoc. Pro
COCKE C.Lewi Kansds State Univ., Professor
関岡 嗣久 姫路工業大学, 工学部, 助手 (40118013)
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Keywords | 多価重イオン / スパッタリング / Time of Flight |
Research Abstract |
研究代表者(寺澤)高温超伝導体の磁束ピン止めによる改質の重要性を考慮し、1992年、理化学研究所に同所リングサイクロトロンを利用して、高エネルギー多価重イオン照射による高温伝導体の改質の研究を提案し、共同研究者の協力を得て実験を実施した。その結果、期待通りの照射効果が得られることが確認された。この効果の原因となっていると考えられる、多価イオンの誘起するクローン爆発現象を実験的に確かめることが必要である。 アメリカ、カンザス州立大学(KSU)物理学科のC. L. Cocke教授及びM. Stockli助教授らは、世界最高性能を誇る多価イオン加速装置(CRYEBISと呼ぶ)を開発し、多価イオンの原子過程研究での先端研究をリ-ドしている。 本研究は、KSUの同教授、助教授の賛意を得て、多価イオン照射によるクーロン爆発の実験を、同大学のCRYEBIS装置を使用する共同研究として実施している。 8年度は2回KSUで実験を行った。第1回目の実験では、多価重イオン照射のためのターゲットホルダーならびにスパッタリングによって放出される2次イオン測定のための検出器、回路系、およびターゲットチェンバーの設計、製作を行い、KSUで組立、テストを行い、動作確認及び予備実験を行った。その後炭素薄膜を標的として多価重イオンの照射を行い、スパッタリング収量の照射イオン価数ならびにエネルギー依存性を調べた。その結果、スパッタリング収量が照射イオンの価数に強く依存する事が分かった。第2回目の実験では、M. Stockli博士らにより多価イオンビームのパルス化が可能となったのを受けて、薄膜ターゲットの作りにくい金属又は半導体、およびそれらの酸化物の絶縁材料などの固体ターゲットで実験を実施した。多価重イオン照射によるスパッタリング収量の、照射イオン価数ならびにエネルギー依存性を調べた。その結果、導体、半導体、絶縁体の間でスパッタイオンのスペクトルに興味深い違いが見つかり、クーロン爆発機構によるものかどうか検討しているところである。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] M. Terasawa, T. Sekioka, T. Mitamura, S. Winecki, M. Stockli, C. L. Cocke: Secondary ion enhancement in slow highly charged heavy ion bombardment. Proceedings of the Eighth International Conference on the Physics of Highly charged ions, Omihya, Saitama, Japan, Sep. 23-26, 1996. ((印刷中))