1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08044190
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Research Institution | Tohoku university |
Principal Investigator |
井出 宏之 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70022704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
STOCUM David Indiana Univ., Sch. of Sci., Prof.
田村 宏治 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70261550)
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Keywords | 再生芽 / 四肢 / レチノイン酸 |
Research Abstract |
四肢の再生は、再生芽とよばれる脱分化した細胞が軟骨等のパターンを作る過程である。有尾両生類では四肢の完全な再生が起こるが、鳥類や哺乳類では四肢の再生はほとんど起こらない。無尾両生類はこれらの中間で、変態中に出現してくる肢芽においてのみ再生が起こる。四肢の再生芽の細胞はレチノイン酸に対してさまざまな反応を示し、位置価の基部化、後方化、腹側化を引き起こす。しかしこれらの研究は有尾両生類であるメキシコサンショウウオを対象として行われたもので、無尾両生類の肢芽を対象とした研究はほとんどない。 本研究は、上記のメキシコサンショウウオ再生芽の位置価のレチノイン酸による変更を明らかにしたStocum教授と共同して、無尾両生類であるアフリカツメガエルの肢芽の再生系でのレチノイン酸の作用を解析する事を明らかにしたものである。 本研究の結果、以下のことが明らかになった。 1.両生類の肢芽及び再生芽ではじめて、極性化域(Polarizing Region)のマーカーであるSonic Hedgehog遺伝子の発現を明らかにした。またこの遺伝子の発現パターンの解析により、レチノイン酸で誘導されると考えられ、前後軸方向を決定する領域と考えられる極性化域の特徴を明らかにした。 2.レチノイン酸は肢芽の再生を阻害した。上記遺伝子の発現等を調べて、阻害にも関わらず、位置価の変更が起こっているかを調べる必要がある。 3.ツメガエル肢芽間充織を細胞に解離し、再凝集させて、移植すると数十本の指を含む過剰肢が形成された。前後、基部一先端部方向の調節が無くなって、指の場が多数できた結果と考えられ、現在、レチノイン酸の作用を調べている。
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[Publications] Endo,T.et al.: "Shh expression in developing and regenerating limb of Xenopus laevis." Developmental Dynamics(1997). (in press).
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[Publications] Tanaka,M.et.al.: "Citral,an inhibitor of retinoic acid synthesis,modifies chick limb development." Developmental Biology. 175. 239-247 (1996)
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[Publications] Ide,H.: "Cell-cell interactions in the mesenchyme of limb bud and blastema." Zoological Science. 13. 207-212 (1996)
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[Publications] Stocum,D.L.: "A Conceptual framework for analyzing axial patterning in regenerating urodele limbs" Intrnational Journal of Developmental Biology. 40. 773-783 (1996)
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[Publications] 井出宏之: "四肢の発生と再生" 遺伝. 50. 15-20 (1996)