1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08044209
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉里 勝利 広島大学, 理学部, 教授 (20095516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JEANーYVES Ex IBCP, CNRS, 研究員
ROBERT Garro IBCP, CNRS,リヨン大学・理学部, 教授
大房 健 広島大学, 理学部, 助手 (50243548)
二宮 善文 岡山大学, 医学部, 教授 (70126241)
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Keywords | コラーゲン / コラゲナーゼ / 海産無脊椎動物 / ウニ / カイメン / MMP / 遺伝子クローニング / 酵素化学 |
Research Abstract |
吉里は10月にフランスに赴きフランス側と研究計画全体に関する打ち合わせを行った。また、これと同時にウニ・カイメンのコラーゲン遺伝子に関する研究を行った。 大房は、10月にフランスを訪問し、フランス産ウニの胚より調製したRNAをもとにcDNAを作製し、PCR法を用いてウニ胚より脊椎動物のMMP遺伝子の増幅を試みた。ウニのコラーゲンcDNAの解析はGarrone,Expositoらによって行われており、ウニのコラーゲンcDNAからは、他種のコラーゲン遺伝子には見つかっていない。特殊な繰り返し構造の存在が明らかにされている。大房が、フランスで実施し帰国後解析を続行している研究の結果からフランス産ウニ胚より増幅されたcDNA断片の1つであるclone8は、脊椎動物のMMP9に類似性の高い配列であることが判明した。これまでウニで知られているMMP類似の金属プロテアーゼは、孵化酵素だけであったが、今回得られた断片は同種のウニの孵化酵素とは明らかに異なっていることから、ウニのMMPのcDNA断片を得た初めてのケースと考えている。さらに2度目の訪仏では、Garrone,Expositoの協力の下でウニcDNAライブラリを得た。このライブラリによるclone8の全長を含むクローンの得ることは次年度の重要課題の1つである。 また、カイメンのコラゲナーゼ検出に関する研究も進行中である。これまでカイメンはコラーゲン分解活性を有していないとされてきたが、カイメンの単離細胞がコラーゲンゲル溶解活性を持つことが明らかになった。 ExpositoとGarroneは、3月に来日し、ウニ初期胚への遺伝子導入によるウニ胚コラーゲン遺伝子の発現調節の解明のための基礎実験を行った。 また、Garrone,Expositoの来日に併せて広島大学理学部において、シンポジウム"Information Exchange on Extracellular Matrix in Baseic and Applied Science"を実施した。さらに吉里は、マトリックス研究会第44会大会の期日に併せて日仏マトリックスシンポジウムを主催した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Oofusa,K.and Yoshizato,K.: "Presence of thyroid hormone responsive cis-element in the 5'-upstream region of anuran collagenase gene." Rou'x Archives of Developmental Biology.205. 243-251 (1996)