1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08044230
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡邉 建彦 東北大学, 医学部, 教授 (70028356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ANDRAS Nagy サミュエルルーネンフェルト研究所, 主任研究員
ANDRAS Falus ゼンメルワイス医科大学, 教授
市川 厚 京都大学, 薬学部, 教授 (10025695)
山内 広平 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (20200579)
大津 浩 東北大学, 医学部, 助手 (60250742)
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Keywords | ヒスタミン ヒスチジン脱炭酸酵素 / ヒスタミンN-メチル基転移酵素 / 遺伝子発現 / ノックアウトマウス / 肥満細胞 / T細胞 |
Research Abstract |
ヒスタミンの合成酵素(ヒスチジン脱炭酸酵素、HDC)の遺伝子は、血球系においては肥満細胞と好塩基球に特異的に発現している。この細胞特異的発現は、HDC遺伝子のプロモーター領域のCpG配列の脱メチル化によることを明らかにした。マウスHDC遺伝子の発現調節機構についても、遺伝子プロモーター領域のCpG配列のメチル化が遺伝子の発現を細胞特異的に抑制していることが判明している。さらに脱メチル化剤としてアザシチジンをマウス培養肥満細胞P815に作用させると、HDCの発現が誘導され、機能的にも遺伝子上流域のメチル化が重要であることが確認された。しかし、メチル化を細胞特異的に制御しているシス配列は、現在までのところHDC遺伝子近傍では不明である。さらに上流、下流をクローン化し、DNaseI高感受性領域をHDC遺伝子の外側で検索中である。今回、HDC遺伝子のノックアウト(KO)マウスを作成した。KOマウスも正常に分娩、発育し、外観上も野生型と差を認めない。また、脳、胃のHDC活性は著しく低下していたが、ヒスタミン含量は、10〜30%存在した。この理由を検索するとともに、アレルギー反応、行動実験など表現系を解析中である。ヒスタミン分解酵素であるヒスタミンN-メチル基転移酵素(HMT)の遺伝子のクローニングについては、ほぼ、完了に至っており、現在、HMT高発現マウスを作成すべく、ベクターを構築中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] S.Nakagawa: "Identification of multiple regulatory elements of the L-histidine decarboxylase." J.Biochem.121. 935-940 (1997)
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[Publications] K.Maeda: "Induction of L-histidine decarboxylase in a human mast cell line,HMC-1 by phorbol 12-myristate 13-acetate." Exp.Hematol.(印刷中). (1998)
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[Publications] K.Yanai: "Targeting disruption of histamine Hl receptors in mice:Behavioral and neurochemical characterization." Life Sci.(印刷中). (1998)
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[Publications] 福井 裕行: "薬物受容体(高柳一成編)" 南山堂(印刷中), 印刷中 (1998)
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[Publications] 谷内 一彦: "医系薬理学" 中外医学社, 1 (1997)