1996 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス反応におけるCRFおよびパゾプレッシン遺伝子発現調節機構に関する研究
Project/Area Number |
08044232
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井樋 慶一 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (60232427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WATSON Stanl Mental Health Research Institute, Univers, CoーDirecto
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Keywords | ストレス / CRF / バゾプレッシン / in situ ハイブリダイゼーション / 遺伝子 / mRNA / hnRNA / 脳内微量注入法 |
Research Abstract |
最近井樋らは独自に開発した無麻酔ラット脳内微量注入法を用いノルエピネフリン(NE)をPVNに注入し、CRF mRNAをNorthern blot法にて検出することにより、NEがCRF遺伝子発現を刺激することを明らかにしたが、Northern blot法によりCRF mRNAレベルの変化を検討する方法にはいくつかの制約がある。第一に、細胞質内CRF mRNAレベルはCRF遺伝子転写のみならず、CRF mRNAの安定性によっても規定されるため、CRF mRNAレベルの変化は必ずしも転写レベルでの活性化を意味しない。次に、Northern blot法ではRNA抽出の段階で組織が破壊されるため、CRF遺伝子発現の局在(どの細胞領域においてCRF遺伝子発現の変化が認められるか)を明らかにすることができない。殊にCRFニューロン内でCRF遺伝子およびVP遺伝子の発現がそれぞれいかなる調節を受けているかを検討するためにはこれら遺伝子発現の局在を明らかにする必要があり、この目的のためにはNorthern blot法は適していない。この問題点を克服するために最近SJ WatsonらはCRF遺伝子のイントロン部に相当する^<35>Sリボプローブを作製し、これを用いたin situ hybridization法によりCRF遺伝子発現の変化を転写レベルで定量化することに成功した。本研究においては、東北大学、井樋慶一およびMichigan大学SJ Watsonの共同研究により、無麻酔ラットPVNにNEを微量注入し、イントロンプローブを用いてCRF hnRNAの変化をin situ hybridization法にて検出、定量化することにより、NEがCRF遺伝子発現を転写レベルで刺激することを初めて明らかにした。更にNEのVP遺伝子発現への効果をVPイントロンプローブを用いて検討した。
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