1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08044245
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
城所 良明 群馬大学, 医学部, 教授 (00053083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
UMBACH Joy UCLA School of Medicine, 助手
GUNDERSEN Ca UCLA School of Medicine, 準教授
斎藤 実 群馬大学, 医学部, 助手 (50261839)
吉原 基二郎 群馬大学, 医学部, 助手 (80222397)
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Keywords | CSP変異株 / グルタミン酸受容体分布 / シナプス形成 / 受容体集積 / Ca感受性色素 / シナプス伝達 / ショウジョウバエ変異株 |
Research Abstract |
1.温度依存性CPS変異株におけるシナプス伝達の解析 CSP株は共同研究者GundersenとUmbach博士によってCa channelの機能を増強することが示され、さらに同グループによりシナプス小胞膜上にあることが証明された。一方Zinsmaierらによってショウジョウバエの変異株が分離され、その一つは温度依存性に麻痺を起すことが分かった。ついでUmbachらはこの変異株において、29℃では神経を刺激して誘発されるシナプス電位が欠落することを示した。ただし自発的微小終板電位は影響を受けない。 我々はまずシナプス形成過程でおこるグルタミン酸受容体の分布の変化がCSP変異体でどのように影響を受けるかを調べた。受容体にたいする抗体を作り、蛍光抗体法を用いて受容体の分布を可視化した。その結果CSP変異株においてもシナプス形成に伴う受容体分布の変化は野生株と同様におこることが分かった。 次にCSP変異株で神経刺激によるシナプス電位がどうして欠落するかを調べた。具体的にはCSP蛋白の異常によりCa channelが働かないのではないかと考え、神経終末におけるCa濃度の測定を試みた。Ca感受性色素Ca-Crimson AMを神経終末に取り込ませた。筋細胞にはあまり取り込まれずに神経終末のみが染まる条件が見つかり、野生型3齢幼虫では神経刺激によってCa濃度の上昇が見られた。しかし筋収縮がおこり神経終末が顕微鏡の視野から外れ、焦点がずれてしまうことから、定量的な計測をすることが困難であることが分った。 2.シナプス前終末端の機能に欠陥のある変異株の分離 計画通りにトランスポゾンP因子を用いて変異株を作りスクリーニングを行った結果一つの変異株、MY7919,においてシナプス伝達に欠陥があることが分かった。神経刺激によるシナプス電流の振巾が小さく、低Ca^<2+>外液中ではfailure rateが大きいことからシナプス前終末因子による伝達の欠陥であることが分った。遺伝子は第二染色体59D-Eであることが判明した。
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[Publications] Saitoe,M.,Tanaka,S.,Takata,K.,Kidokoro,Y.: "Neural activity affects distribution of glutamate receptors during neuromuscular junction formation in Drosophila embryos." Developmental Biology. (in press).
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[Publications] Ciani,S.,Nishikawa,K.,Kidokoro,Y.: "Permeation of organic cations and ammonium through the glutamate receptor channel in Drosophila larvalmuscle." Japanese Journal of Physiology. (in press).
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[Publications] Kuromi,H.,Yoshihara,M.,Kidokoro,Y.: "An inhibitory role of calcineurin in endocytosis of synaptic vesicles at nerve terminals of Drosophila larvae." Neuroscience Research. (in press).
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[Publications] 城所良明: "シナプス関連遺伝子" Clinical Neuroscience. 15. 84-88 (1997)