1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08044269
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
中野 赳 三重大学, 医学部, 教授 (60111879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HARTSHOME Da アリゾナ大学, 農学部, 教授
井阪 直樹 三重大学, 医学部, 講師 (30159652)
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Keywords | 平滑筋 / シオシンホスファターゼ / ターゲットサブユニット(MYPT) |
Research Abstract |
1.ミオシンホスファターゼ(MP)の特異的抗体の作成とMPの局在に関する検討 MPの130kDa調節サブユニット(MYPT1)のN端側38のペプチドを作成し、ウサギに免疫することにより、MYPT1特異的抗体を作成した。この抗体を用いMPの局在を検討したところ、平滑筋細胞ならびに非筋細胞においては、ストレスファイバー上に、心筋細胞ではZ盤上にその局在が認められた。 2.MPの血管トーヌス調節における機能の検討 Rhoキナーゼのリコンビナントを血管スキンドファイバーに作用させたところ、Ca^<2+>非依存性にミオシン軽鎖のリン酸化を伴った収縮を惹起させた。このことにより、RhoキナーゼがMP活性を阻害し、血管収縮を引き起こす重要な分子であることが判明した。 3.MPの血小板における機能の検討 ヒト血小板においても、ヘテロ3量体よりなるMPが存在していることが明らかとなった。血小板MYPT1もin vitroにおいてRhoキナーゼでリン酸化され、リン酸化MPにおいては、その活性は著名に抑制されていた。またトロンボキサンA_2刺激時においてMYPT1のリン酸化が確認され、血小板活性化においてMPのリン酸化によるホスファターゼ活性の阻害が重要なメカニズムの一つであることが判明した。 4.その他 MYPT1は細胞膜にも存在することが明らかとなり、この局在はMYPT1と細胞膜構成成分である酸性リン脂質との相互作用によるものと考えられた。またMYPT1とリン脂質との結合はAキナーゼにより影響を受けることから、MYPT1 のリン酸化がその細胞内局在を決定するひとつの因子である可能性が示唆された。 ヒトMYPT1のcDNAをプローベに、新規アイソフォーム(MYPT2)のクローニングした。MYPT2は982個のアミノ酸残基よりなる分子量110.4kDaの蛋白質でMYPT1とのアミノ酸の相同性は52%であった。その発現は心筋と脳に特異的で、またその染色体座は1q32.1であり、ヒトMYPT1とは異なる遺伝子により発現されていることが明らかとなった。
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[Publications] Masaaki Ito: "Interaction of smooth muscle myosin phosphatase with phospholipids" Biochemistry. 36. 7607-7614 (1997)
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[Publications] Masaki Fujioka: "Identification of a second gene encoding the target subunit of myooin phosphatase" Genomics. (in press). (1998)
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[Publications] Kenji Nakai: "Regulation of myosin phosphatase through phosphorylation of the myosin-binding subunit in platelets activation" Blood. 90. 3936-3942 (1997)