1996 Fiscal Year Annual Research Report
胚性幹細胞からの分化誘導系を用いたマスト細胞の機能ならびに分化機構の解析
Project/Area Number |
08044275
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
仲野 徹 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (00172370)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ギャリ スティーブ ハーバード大学, 医学部, 教授
グラフ トーマス ヨーロッパ分子生物学研究所, 細胞分化プログラム, 助手
高橋 知巳 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (70283801)
江良 択実 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (00273706)
|
Keywords | マスト細胞 / 細胞分化 / 遺伝子ターゲティング / 転写因子 |
Research Abstract |
胚性幹細胞から血液細胞への分化誘導法(OP9法)を用いて、マスト細胞の機能ならびに分化機構の解析を行うために以下の研究を行った。 共同研究者であるハーバード大学のスティーブ,ギャリ博士の研究グループは、マスト細胞が活性化されると発現する遺伝子のクローニングに成功した。現在までの研究から、この遺伝子はマスト細胞の機能に重要な役割をはたしていると推定される。この遺伝子の機能を解析するために、遺伝子ターゲティングにより遺伝子破壊を行ったES細胞ならびに強力なプロモーターにつないで強制発現を行ったES細胞の作成を行っている。これらの細胞株が樹立された時点において、OP9による分化誘導を行い、得られたマスト細胞の機能解析を行う。 トーマス・グラフ博士と我々の研究室では、c-myb遺伝子産物のマスト細胞の分化におよぼす影響を解析するために種々の発現プラスミドの構築を行った。c-mybを構成的に発現するプラスミド、また、c-mybの機能を任意に抑制することのできるプラスミドをすでに入手している。これらの発現プラスミドをES細胞に導入し、OP9法によりマスト細胞への分化誘導を行うことにより、c-mybのgain of functionとloss of functionがマスト細胞の分化にどのような影響をおよぼすかを検討していく。 また、マスト細胞の分化および機能発現に重要な役割を持つと考えられている転写因子であるc-mybとGATA-1の協調的ならびに抑制的機能発現についての研究も同時に進行している。
|
-
[Publications] H.Nishimura,Y.Agata,A.Kawasaki,M.Sato,N.Minato,H.Yagita,T.Nakano,T.Honjo.: "Developmentally regulated expression of the PD-1 protein on the surface of double negative (CD4^-,CD8^-)thymocytes." lnt.lmmunol.8. 773-780 (1996)
-
[Publications] T.Nakano,H.Kodama,T.Honjo.: "ln vitro development of primitive and definitive erythrocytes from different precursors." Science. 272. 722-724 (1996)
-
[Publications] K.Tashiro,T.Nakano,T.Honjo.: "Signal sequence trap:expression cloning methods for secreted proteins and type 1 membrane proteins." Methods in Molecular Biology. 69. 203-219 (1996)
-
[Publications] T.Hamada,T.Nakano,J.Inazawa,K.Tashiro,M.Shirozu,H.Tada,T.Nakamura,T.Honjo.: "Isolation and characterization of a novel soluble factor gene:a contributional trial for resoution of intercellular signal transduction." Gene. 176. 211-214 (1996)
-
[Publications] T.Era,T.Takahashi,K.Sakai,K.Kawamura,T.Nakano.: "Thrombopoietin enhances proliferation and differentiation of murine yolk sac erythroid progenitors." Blood. (in press).
-
[Publications] T.Nakano,T.Era,H.Kodama,T.Honjo.: "Proc.International Symposium of Bone Marrow Transplantation:" Springer-Verlag Tokyo, 331 (1996)