1996 Fiscal Year Annual Research Report
N-アセチルガラクトサミン転移酵素の遺伝子クローニングと細胞内局在の検討
Project/Area Number |
08044299
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
西森 功 高知医科大学, 医学部, 助手 (30237747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 雅範 高知医科大学, 医学部, 助手 (30191034)
円山 英昭 高知医科大学, 医学部, 教授 (00034645)
HOLLINGSWORT マイケルエイ ネプラスカ州立大学メディカルセンター, エプリー癌研究所, 助教授
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Keywords | 糖転移酵素 / 免疫組織科学 / N-アセチルガラクトサミン / cDNA / 膵臓 / モノクローナル抗体 / 胃癌 / 大腸癌 |
Research Abstract |
1、ヒトUDP-N-アセチルガラクトサミン:ポリペプタイドN-アセチルガラクトサミン転移酵素(N-アセチルガラクトサミン転移酵素と略す)のcDNAクローニングを行った。得られたcDNAクローンはウシ同蛋白と高い分子相同性を示し、最近になり報告されたヒト同酵素アイソザイムT1であることが明らかとなった。 2、上記で得られたN-アセチルガラクトサミン転移酵素cDNAを基に合成ペプチタイド(23残基)を作製し、このペプタイドに対するマウスモノクローナル抗体(GNT-1)を作製した。 3、GNT-1は膵臓、唾液腺、気管支腺、乳腺などの外分泌腺導管上皮との反応を示した。しかし、顎下腺粘液細胞や胃の前庭部粘液細胞では反応がみられず、導管細胞といわゆる粘液産生腺細胞とは異なったN-アセチルガラクトサミン転移酵素アイソザイムを有しているものと考えられた。胃の壁細胞の膵のランゲルハンス島の多くの細胞にGNT-1との明瞭な反応性が認められ、これらの細胞がムチン以外のO型糖蛋白を豊富に生成していることが示唆された。 4、培養消化器癌細胞におけるN-アセチルガラクトサミン転移酵素の発現をGNT-1を用いたWcstcrnimmunoblot法により検討した。その結果、癌細胞におけるN-アセチルガラクトサミン転移酵素の発現は個体や臓器による違いだけでなく、同じ癌細胞においても分化度の違いなどにより異なることが示された。 5、以上の結果をふまえ、今後消化器癌組織においてN-アセチルガラクトサミン転移酵素T1アイソザイムの発現を検討すると共に、T2アイソザイムに対するモノクローナル抗体を作製し同様に検討する予定である。
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Research Products
(1 results)