1998 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける相互依存と証券市場のダイナミズム-その発展と空洞化-
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08045011
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
古賀 公治 佐賀大学, 経済学部, 教授 (40037106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 宏 佐賀大学, 経済学部, 教授 (80274570)
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Keywords | IMF / 中国・上海の経済 / 韓国の財閥 / 金融センター / 台湾の貿易立国 / 証券市場 / アジア経済危機 / 不良債権と国有企業 |
Research Abstract |
1997年7月の香港の中国への返還、東南アジアの通貨危機、アジア経済の混乱の影響で外貨不足、経済危機を招いた韓国がIMF耐性による支援を要求した。IMFは韓国に対して、財閥解体、対外解放などを要求した。韓国はそれらに対し早期に対応した面もあり外貨準備など改善されたものもあるが不良債権の処理、財閥の改革など労働問題ともからみ必ずしもスムーズでもない。そえらの諸問題をほり下げ、韓国が今後どの様な経済体制をとるべきかを明示することを目的とした。また台湾においては他の東アジア諸国のなかでシンガポールとともに比較的ファンダメンタルズも良好であり経済運営も明るい方向である。しかし、アジア経済危機の影響をまぬがれ得ないであろうことは今後の大きな問題ではある。証券市場も国内経済の先行きを必ずしも明るいものとは見ていない。貿易立国として独特のスタンスを持つ台湾経済の展望を示すことももう一つの目的である。中国・上海も正解の金融センターをめざし、浦東地区を大開発しているが、多くのビルが膨大な空室をかかえ(65%空室)経済は必ずしも明るくはない。景気のかげりは証券市場が先見て期に下落を続けていることでも明らかである。中国経済の今後の問題点を明らかにすることも大きな目的である。これら東アジア諸国の経済行動と日本経済の依存関係はいかなるものか。中国は潜在的な巨大市場を持つとは言え、経済成長に限界があるのではないか、多くの不良債権をかかえた国有企業、金融機関が明らかにされるなかで、海外資本としての日本資本はどの様な行動をこれらの諸国に対してとるべきかを明らかにすることが最も大きな目的である。
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Research Products
(1 results)