1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08045014
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
七田 基弘 神奈川大学, 経営学部, 教授 (60187359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 国珍 復旦大学, 人文学院, 専任講師
載 鞍剛 復旦大学, 人文学院, 講師
傅 徳華 復旦大学, 人文学院, 副教授
薜 明楊 復旦大学, 人文学院, 副教授
趙 長華 復旦大学, 人文学院, 副教授
曹 振威 復旦大学, 人文学院, 副教授
庄 錫昌 復旦大学, 人文学院, 教授
呉 景平 復旦大学, 人文学院, 教授
馮 い 復旦大学, 人文学院, 講師
堀 貞一郎 神奈川大学, 国際経営研究所, 客員研究員
廣田 律子 神奈川大学, 経営学部, 助教授 (70260990)
丸岡 洋司 神奈川大学, 経営学部, 助教授
田畑 光永 神奈川大学, 経営学部, 教授
菅原 晴之 神奈川大学, 経営学部, 教授 (70145217)
後藤 伸 神奈川大学, 経営学部, 教授
海老澤 栄一 神奈川大学, 経営学部, 教授 (90120964)
常石 敬一 神奈川大学, 経営学部, 教授 (00039786)
箕輪 成男 神奈川大学, 経営学部, 教授
衣笠 洋輔 神奈川大学, 経営学部, 教授
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Keywords | 歴史遺産 / 日中文化遺産研究 / 遺産の資源化 / 文化財保護 / 復旦大学 / 神奈川大学 / 上海 / テーマパーク |
Research Abstract |
1.この研究は近代化と市場経済への移行を目指して発展しつつある中国が保有している数千年にわたる膨大な歴史的遺産を保護、保存しながら、資源として活用するための方策について神奈川大学経営学部および国際経営研究所と復旦大学人文学院(歴史系)が共同して研究調査を行うことを目的としている。このため、初年度においては、共同研究実施のために必要な組織作りと共通の問題点の確立のための協議を行った。両者間の一連の書簡、電話等による連絡の上で、平成9年1月に復旦大学人文学院(学部)歴史系(学科)主任顧教授他2名の教員が来日し、両者の間で協定書に調印を行った。 2.初年度における研究調査としては、先ず日本側と中国側の問題意識につて調整を行うことが必要であるので、復旦側においては、中国で歴史的遺産と考えているものを実地に検討し、必要な資料の収拾と取りまとめを行った。中国側では、11名の研究者に15名の大学院生が参加して資料収集と整理を行っている。 3.日本側では、日本側の研究分担者と中国側の分担者で現在神奈川大学に研究員として滞在している復旦大学の馮研究員が参加して、3月までの間に7回の研究会を開催した。現在までの主な検討状況は次のとおりである。 (1)「歴史的遺産」と「資源化」の概念について 歴史的遺産については、それぞれの受けてきた歴史教育の方法や水準によって、その内容が中国人、日本人、欧米人の間で異なっている。また、資源化についても中国人、日本人、欧米人の間で興味と関心の重点が異なっている。そこで何を「歴史的な遺産」と考えるのか、「資源化」はどのように行えばよいのかということについて、検討を行い、共通の理解をうることについて、努力した。 (2)文化的風土について 歴史的遺産は、人類の生活、文化などと密接な関係を有しており、とうに本プロジェクトが目的としている経営資源としての文化、とくに芸術、科学、人間の相互互恵のモデルを作ることができないかどうか、について検討を行った。 (3)観光のマーケティング 資源化は、観光とも密接に関連しており、観光によるプラス・マイナス面の影響を考える必要があり、歴史と観光施設をジョイントした売り出し方を考えることについて議論を行った。 4.復旦側では、調査団訪日の際に国立奈良文化財研究所その他を訪問して、日本における文化財保護やレジャー施設のの現況についても知識を深めるとともに、資料の収拾を行った。 5.日本側としては、この他、基礎的データとして日本人の中国の「歴史的遺産」に関する関心度と知識を把握するために日本交通公社に依頼して中国へのいわゆるパック旅行者ついてアンケート調査を行うとともに、平成8年3月に上海に出張し、復旦大学側の研究進捗状況を確認するとともに、上海市の嘉定区にある明と宋の史跡を視察し、責任者との懇談を通じて、中国地方政府の歴史的遺産の保護修復に関する方針の一端を確認した。さらに区内に残る清末の住居などについても、歴史的な意味をもっていることを認識した。中国の映画村や上海博物館の視察も、中国の歴史的認識を確認する上で興味のあるものであった。
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