1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08045015
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Research Institution | Nagano University |
Principal Investigator |
嶋田 力夫 長野大学, 産業社会学部, 教授 (60097459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
童 適平 復旦大学, 日本研究センター, 助教授
焦 必方 復旦大学, 日本研究センター, 助教授
陳 建安 復旦大学, 日本研究センター, 教授
鄭 励志 復旦大学, 日本研究センター, 教授
田中 夏子 長野大学, 産業社会学部, 講師 (30257505)
京谷 栄二 長野大学, 産業社会学部, 教授 (90195397)
安井 幸次 長野大学, 産業社会学部, 教授 (10133472)
表 秀孝 長野大学, 産業社会学部, 教授 (90097452)
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Keywords | 日本 / 中国 / 内発的発展 / 中小企業 / 郷鎮企業 / 比較研究 |
Research Abstract |
1.中国では、上海市の奉賢県と嘉定区で、6つの郷鎮企業、2つの県・区人民政府、4つの鎮人民政府のヒアリング調査を実施した。それを通して明らかになったことは、郷鎮企業の発展に伴って、地域の労働力が農業から遊離し、工業に吸収されていく過程が加速的に進行していること、同時に、農業や建設・紡績等の労働集約的な産業部門に、中国国内の低工業化地域からの住民が大量に流入していること、その形態は、以前のような単身出稼ぎ型ではなく、家族ぐるみの移住が特徴となっていること、そして、中国の戸籍制度の下では、これらの住民に十分な市民権が保障されていないこと、などである。したがって、郷鎮内部に居住する住民間に新たな階層構造が形成されつつあり、地域の社会関係に変化が生じていることが明らかになったが、それが地域社会にどのような影響をもたらすのかの分析は、今後の課題となっている。 2.日本では、海外進出を展開している中核企業の基本戦略と地域企業との関係、および、地域の小零細企業の若手経営者による協同化の取り組みの2つを事例的に研究した。この中で、特に重視した点は、企業の経済的行為を支える地域の社会関係のあり様である。坂城町の調査では、企業間での「情報交換」「仕事の融通」「設備の賃借」などの協力関係が明らかとなったが、これを支えているものが、企業経営者のインフォーマルな社会関係、地域へのアイデンティティ、仲間意識、彼らが共有するモ-レス(習律・道徳律)などである。地域企業の分析を、市場関係における競争力のレベルのみならず地域の社会関係とイデオロギーにまで掘り下げて行なっていくことが必要である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 京谷 栄二: "中小企業と地域社会-長野県坂城町の事例-" 長野大学紀要. 18巻2号. 166-172 (1996)
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[Publications] 田中 夏子: "地域中小企業の現状と女性労働" 長野大学紀要. 18巻2号. 189-192 (1996)
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[Publications] 表 秀孝: "企業の環境保全政策と社会的責任" 長野大学紀要. 18巻2号. 184-188 (1996)
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[Publications] 京谷 栄二: "現代資本主義の変容と地域社会-坂城町モデルの社会学的分析-" 長野大学紀要. 18巻4号. 1-15 (1997)
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[Publications] 長野大学産業社会学部編: "地域づくりを考える" 郷土出版社, 225 (1997)