1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08045015
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Research Institution | Nagano University |
Principal Investigator |
嶋田 力夫 長野大学, 産業社会学部, 教授 (60097459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
焦 必方 復旦大学, 日本研究センター, 助教授
陳 建安 復旦大学, 日本研究センター, 教授
鄭 励志 復旦大学, 日本研究センター, 教授
安井 幸次 長野大学, 産業社会学部, 教授 (10133472)
表 秀孝 長野大学, 産業社会学部, 教授 (90097452)
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Keywords | 内発的発展 / 郷鎮企業 / 地域中小企業 / 環境問題 |
Research Abstract |
中国では、浙江省・寧波市の人民政府・郷鎮企業局と郷鎮企業4社のヒアリング調査を行なった。寧波市は、その広域圏の人口が526万人の地方都市であるが、上海市近郊と同様に、ここでも郷鎮企業の急速な発展がみられ、それに伴う農業労働力の郷鎮企業への吸引が進んでいる。寧波市の郷鎮企業への就業者は、農村労働力の55%を占めている。またこの郷鎮企業の発展が、農村の社会資本の整備に貢献している点も明らかになった。さらに、調査を行なった繊維製品製造業の2社を比較してみると、一方で地元出身者によって構成される従業員数2,000名を擁し、生産工程の機械化によって、中国国内市場で24%のシェアを持つまでに成長した企業がある反面、他方では中国国内の低工業化地域からの流入者によって従業員が構成され、生産性が高くない企業も存在しているように、郷鎮企業の分化ないし競合の傾向もみられた。 日本では、環境政策を重視している企業4社のヒアリング調査を行なった。うち2社は中国での生産拠点を有している企業である。その中で、従業員の日常生活レベルまでに踏み込んだ環境に対する意識を醸成するために、環境情報公開(『白書』づくり)に取り組んでいる企業の試みが注目された。 今後の課題として、企業の経済的行為とそれを支える地域の社会関係(中国での住民の新たな階層構造の形成とその地域社会への影響など)について、経済学と社会学との研究視点の調整と共有化が必要である。
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Research Products
(2 results)