1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08045021
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
安藤 亘 筑波大学, 化学系, 教授 (30008429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 祥 筑波大学, 化学系, 助手 (70261758)
イイザック アペローグ テクニオン, イスラエル工業大学・理学部, 教授
加部 義夫 筑波大学, 化学系, 講師 (40214506)
菊地 修 筑波大学, 化学系, 教授 (30015771)
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Keywords | ジシラアントラセン / ケイ素ジアニオン / 架橋リチオ体 / ケイ素芳香族体 |
Research Abstract |
イスラエル工業大学との共同研究による環内にケイ素を含む、新規なケイ素芳香族化合物の生成を目標として、ジシラアントラセンについて検討した。この化合物の合成は、ケイ素アニオンの生成とその酸化反応によるケイ素ラジカルの生成であり、また、ジシラアントラセンおよびそのジアニオンの安定に対する理論的考察である。ジシラアントラセンジアニオン生成は、9、10-ジシラ-9,10-ジヒドロアントラセン(1)を金属リチウムで処理すると、ジシラアントラセンの2量体(2)を高収率で生成する。この反応はSi-Hがリチオ化された後、更にもう一分子のSi-Hと反応してSi-Si結合を生成したものである。2を更にLiまたはKで処理すると目的としたジシラアントラセンジアニオン(3)が生成する。ジアニオン3の構造は一つのリチウムが二つのケイ素を繋ぐような架橋型をとる構造がもっとも安定な状態であり、それぞれトランスやシス体のジアニオンの生成は見られなかった。架橋構造3はクロロシラン類との反応により、その構造が確認される。またab Initioによる理論的計算ではジシラアントラセジリチオのシス体は架橋構造よりも34.2kcal/mol,トランス体は25.7kcal/mol不安定である。一方、酸化剤としてのジブロモエタン存在では、9、10-ジシラアントラセンの2量体、2を生成する。この反応ではジアニオンが2電子酸化され、ジシラアントラセンジラジカル(4)を経て得られたものと見られる。4の極限構造式はそれぞれ芳香性を有する9、10-ジシラアントラセンであると考えられる。この芳香族性ジシラアントラセンビラジカルの電子構造はab Initio計算により、9、10-位が結合したデユ-ア型が、一重項平面構造(D2d)より17kcal/mol安定であり,三重項のベント型(Cs)は3.7kcal/mol不安定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Hatano,K.Morihashi,O.Kikuchi,W.Ando: "Lithium Bridged Bis(silyanion)of 9,10 Dimethy1-9,10disilaanthracene" Chem.Lett.(in press).
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[Publications] W.Ando,K.Hatano,R.Urisaka: "Synthesis and Reduction of the 9,10-Disilaanthracene Dimer" Organometallics. 14. 3625-3627 (1995)