1996 Fiscal Year Annual Research Report
人口密集都市域における震災予測と復興手法に関する比較研究
Project/Area Number |
08045035
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
栗林 栄一 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (10158884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沈 小白 同済大学, 構造理論研究所, 教授
蒋 通 同済大学, 構造理論研究所, 副教授
杜 堅 同済大学, 岩土研究所, 教授
朱 伯龍 同済大学, 工程力学研究所, 教授
章 在庸 同済大学, 構造理論研究所, 教授
蒋 建群 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (20283484)
田中 仁史 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (20132623)
山田 聖志 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (50134028)
河邑 眞 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (30115555)
加藤 史郎 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (40023303)
角 徹三 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (40026092)
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Keywords | 地震災害 / 都市防災 / 人口密集都市 / 直下型地震 / 震災予測 / 防災計画 / 直接被害 / 間接被害 |
Research Abstract |
本研究では、1995年阪神・淡路大震災により甚大な被害が発生した神戸市における自然・社会条件等の地域構造および震災後の地域住民への諸影響を整理した上で、震災の特徴的な側面を考察して、いくつかの結論をまとめることに至った。 1)著しい被害を受けた地域では、老朽木造住宅の密集、過度の人口密集、高齢化が被害が軽微であった地域に比べ進行しており、震災前から地域が抱えていた社会的諸問題が地震という自然災害を契機に形を変えて一気に噴出し、被害増大につながったと考えられる。 2)出生数超過で推移していた神戸市人口の自然動態は震災後、死亡数超過に転位した。また、他地域への疎開者が多く発生したことから神戸市の人口は震災前より約10万人減少した。この人口減少が地域社会へ与える影響としては、個人消費の低下、税収減等が考えられ、今後公表される市民経済計算等の統計資料を整理した上での評価が必要である。 3)ピーク時で神戸市内の約15%の市民が避難所生活を余儀なくされ、その内6〜7割の避難者が住宅確保、収入・仕事への不安を抱えていた。統計上からも失業者の増大は顕著にみられ、収入減による経済的困窮や将来への不安など失業者への影響は深刻なものと察せられる。復興計画において政策による就労機会拡大の促進など災害後の失業者の就労環境の整備は、個々の生活においても、また地域活性化の再建のためにも重要事項であろう。 引き続き、阪神・淡路大震災で甚大な被害をうけた神戸市を対象に震災前の地域構造および震災後の諸影響の実態を把握し、震災予測の可能性を探ると共に、地域社会に最適する復興手法について提案していく。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 松井欣嗣: "兵庫県南部地震による震災波及構造について" 第51回土木学会学術講演集. 1-B. 708-709 (1996)
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[Publications] 石掛晴孝: "兵庫県南部地震における住宅被害について" 第51回土木学会学術講演集. 1-B. 764-765 (1996)
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[Publications] 米花毅彦: "基盤施設に対する電力供給優先順位の決定方法の提案" 第51回土木学会学術講演集. 1-B. 718-719 (1996)
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[Publications] 石掛晴孝: "阪神・淡路大震災が地域経済へ及ぼした影響に関する研究" 土木学会中部支部 平成8年度研究発表会講演概要集. (1997)
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[Publications] 堀田静香: "震災が地域経済に与える影響について〜神戸市〜" 土木学会中部支部 平成8年度研究発表会講演概要集. (1997)
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[Publications] Emil-Sever Georgescu: "Disaster Scaling for Recent Earthquakes" Proc.of 11th World Conference on Earthquake Engineering,Acapulco,Mexico June 23-28,1996. コンパクトデスク. Paper No.1595 (1996)