1998 Fiscal Year Annual Research Report
生体・環境分野におけるランダム媒質中の標的イメージングに関する研究
Project/Area Number |
08045039
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
立居場 光生 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 教授 (40037924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KUGA Ysuo ワシントン大学, 工学部, 教授
TSANG Leung ワシントン大学, 工学部, 教授
ISHIMARU Aki ワシントン大学, 工学部, 教授
藤崎 清孝 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助手 (20253487)
任 偉 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 講師 (00284547)
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Keywords | ランダム媒質 / 多重散乱 / 等価誘電率 / コヒーレンス減衰 / 角度記憶保持効果 / 角度相関 / レーダ断面積 / 散乱問題 |
Research Abstract |
今年は3年計画の最終年度に当たり,交付申請書で述べたとおり下記の2つの課題に取り組んだ.そのため,平成10年7月と平成11年2月に研究代表者がワシントン大学に訪問し,第5回の共同研究討論会を7月に開催し,2月に研究成果報告書作成のため最終の討議を行った.更に,韓国で開催されたアンテナ・伝搬,環境電磁工学,電磁界理論に関する日韓合同会議において本研究で得られた成果の一部を招待講演として報告した.3年間に亘る共同研究の成果報告書を作成し,関係機関に配布する. 課題1:多数の誘電体粒子からなるランダム媒質の散乱断面積の算定とその媒質による分解能劣化の評価 我々の研究室で開発した多重散乱理論に基づくランダム媒質の等価誘電率算定法を用いて,かつてワシントン大学で導出した蜜なランダム媒質中のradiative transfer equationを書き換え,その数値解析を行った.その結果,ランダム媒質の散乱断面積が等価誘電率算定法に大いに依存することを定量的に明らかにし,従来の方法による結果の精密化をはかり,探査に必要な偏波特性に新規な成果を得た.ランダム媒質による分解能劣化の問題はワシントン大学が計算機シミュレーションと実験によりメモリ効果を含めて詳細に研究し,論文誌、国際会議等で報告している. 課題2:課題1の成果に基づく物体イメージング手法の提案及びその有効性の定量評価 九州大学は位相情報劣化の対策に空間フィルタリング法の開発を,ワシントン大学はパルスと空間相関を活用する方法の開発をそれぞれ目指し,現在研究途中にあり近々論文誌,国際会議等で順次公表されよう.両方の方法を結合したイメージング法が生体媒質内やランダム媒質中のイメージ処理に有用であることを指摘し,将来の重要な研究課題であることを両大学で確認した.
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