1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08045058
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
木曽 康郎 大阪府立大学, 農学部, 講師 (10142374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LAMARRE Jon Department of Biomedical Sciences, Unive, 助教授
河南 有希子 大阪府立大学, 農学部, 助手 (80264810)
山手 丈至 大阪府立大学, 農学部, 講師 (50150115)
CROY B. Ann Department of Biomedical Sciences, Unive, 教授
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Keywords | 子宮NK細胞 / 顆粒性間膜腺細胞 / 脱落膜 / 胎盤 / 自己免疫疾患マウス / トランスジェニックマウス / 体外培養法 / マグネット法 |
Research Abstract |
先ず、各種マウス妊娠子宮における子宮NK細胞の動態を調べた。免疫不全モデルでは正常、自己免疫疾患モデルでは分布および分化において若干の異常が見られたが、胎盤完成期には正常であった。しかし、T細胞およびNK細胞を欠損するヒトCD3εトランスジェニックマウス妊娠子宮では、子宮NK細胞が欠損し、胎盤・胎子・間膜腺の発達が悪く、妊娠10-12日にかけて流産率が有意に高いことがわかった。このことは、子宮NK細胞が胎盤形成・胎子の生存に関して、決定的な役割を持つことを示唆する。しかも、このモデルでの胎盤血管構築に異常が見られたことから、子宮NK細胞は血管新生を促進していることが考えられる。ヒトCD3εトランスジェニックマウス妊娠子宮での子宮NK細胞欠損は、初めての知見である。 次に、子宮NK細胞の機能解析のために、間膜腺体外培養法およびマグネット法を用いて子宮NK細胞を単離し、その単離細胞数、純度、生存率および形態を調べた。マグネット法にはマグネットビーズおよびマグネットパーティクルを用いた。 採取細胞数は間膜腺体外培養法で>10^5cells/ml、マグネット法で>10^4cells/ml、純度は各々>98%、>85% (ビーズ法)、>60% (パーティクル法)で、生存率は各々90%、>70%であった。両方法でのin vitro子宮NK細胞は光顕的にも電顕的にもin vivo子宮NK細胞と同様であったが、間膜腺体外培養法による単離は1日要するのに対して、マグネット法では2.5時間で可能であった。短時間の単離隔は細胞傷害活性の測定に有利である。従って、マグネット法は子宮NK細胞の新しい単離法として有効であると考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Croy B. A.他5名: "Characterization of the cells that migrate from metrial glands during culture." J. Reprod. Immunol.(in press). (1997)
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[Publications] Fukasawa N.他の5名: "Apoptosis of rat uterine NK cells in vitro." J. Reprod. Dev.42・4. 219-224 (1996)
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[Publications] 牧田牧子 他4名: "自然流産マウスモデルにおける子宮NK細胞の動態" 第122回日本獣医学会講演要旨集. 77- (1996)
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[Publications] 木曽康郎: "妊娠時の子宮NK細胞" 第11回日本生殖免疫学会プログラム・抄録集. 33- (1996)
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[Publications] Kiso Y. 他3名: "Murime granulated metrial gland cells : An NK cell subset found in the pregnant murine uterus." Proc. Jpan. J. Reprod. Immunol.(in press). (1997)
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[Publications] 日下部 健 他4名: "顆粒性間膜腺細胞のFas/Fas-Lシステムによるアポトーシス" 第123回日本獣医学会講演要旨集. (in press). (1997)