1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08045062
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Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
斉藤 佑尚 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (30134810)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BLEACKLEY Ch Univ. Alberta, Dept. Biochemistry, Professor
MCELHANEY Ro Univ. Alberta, Dept. Biochemistry, Professor
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Keywords | 腫瘍細胞 / 血小板凝集 / 血液凝固 / 血液凝固第X因子 / 血液凝固第V因子 / トロンビン / モノクローナル抗体 / クローニング |
Research Abstract |
ガン患者の代表的な死因の一つに血栓症がある。これは腫瘍細胞が血小板凝集・血液凝固反応を促進するからであると考えられる。さらに腫瘍細胞の転移という現象とも上述の反応が深く関与しているとの説もがなり有力視されている。私達は神経芽腫細胞であるGOTO細胞を用いてこの点を詳細に検討し、昨年度にはJoumal of Cellular Physiologyにその成果を報告することが出来た。しかし、その機構を分子レベルで理解するために本研究を鋭意続けている。 この反応には少なくとも二つの重要な因子が関与すると考えられる。その第一は、活性化血液凝固第X因子を補助してプロトロンビンをトロンビンに活性化するという点において血液凝固第V因子に機能的に類似した性質を有し、その分子構造は新規なものと考えられる蛋白質である。第二は、細胞膜上の多分酸性に荷電を有する脂質である。第一の点に関してはサブトラクションクローニングを行ったが、プレイオトロピンなどの興味あるクローンは得られたが、目的の新規蛋白質は得られていない。さらにGOTO細胞を免疫原としてモノクロナル抗体を作成し、その中に上述のトロンビン合成反応を阻害するようなものが得られれば、それは目的の蛋白質を抗原にしている可能性が高いので、これを用いてのクローニングも可能となるので現在全力をあげて研究を進行中である。第二の点に関しては、アルバータ大学に出張し、かなり基礎的な研を進行しその成果をJoumal of Cellular Physiologyに論文に纏めて報告した。さらに本細胞および他の神経芽腫細胞上の特別に極性が高い脂質を極めて特異的に認識するモノクロナル抗体が得られた。このハイブリドーマのスクリーニング法も含めてその成果を雑誌Hybridomaに報告した。現在その脂質の化学構造の解明および上述の反応との関係について研究を進めている。さらに、分化誘導に伴うその発現量の変化など興味深い結果が得られつつある。
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[Publications] A.Kushida: "Screening of hybridoma clones producing antibodies against plasma membrane-associated materials" Hybridoma. 17. 209-213 (1998)
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[Publications] S.Ueki: "12-Hydroxy-5Z,8Z,10E,14Z,Eicosatetraenoic Acid (12-HETE) Stimulates cAMP Production in Normal Human Fibroblasts" Journal of Cellular Physiology. 178. 63-68 (1999)