1997 Fiscal Year Annual Research Report
精神鎮静法へのα_2-アゴニストおよびα_2-アンタゴニストの使用に関する研究
Project/Area Number |
08045071
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
山城 三喜子 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (70139294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PAUL Coultha マンチェスター大学, 歯学部, 講師
三浦 誠 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (60147816)
古屋 英毅 日本歯科大学, 歯学部, 教授 (30060429)
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Keywords | 静脈内鎮静法 / 塩酸クロニジン / 循環動態 / ストレスホルモン / 鎮静効果 / 鎮痛効果 |
Research Abstract |
歯科領域での静脈内鎮静法下での手術は多数歯欠損に対するインプラント手術など長時間におよぶものが増加してきている。静脈内鎮静法にα2-アゴニストを使用することを目的として、代表的α2-アゴニストである塩酸クロニジンについて研究を行った。 塩酸クロニジンを静脈内投与し、侵害刺激を加えて循環動態の変化、血漿カテコールアミンおよびコルチゾール濃度への影響を、また,鎮静作用、鎮痛作用について検討した。さらに自覚的副作用についても調べた。 対象は健康成人ボランティアとし、クロニジン2μ/kgを静脈内投与した。侵害刺激としては電気刺激を正中神経に間欠的に加えた。循環動態の指標として動脈血圧、心拍出量、心拍数を、交感神経系の反応の指標として血漿アドレナリン、ノルアドレナリン、コルチゾール濃度を測定した。また、鎮静効果および鎮痛効果をvisual analogue scale(VAS)により評価した。 その結果、心拍数および拡張期血圧はクロニジン投与20分後より60分までコントロール値に比べ有意差のある低下を示したものの、いずれも10%以内の低下であった。収縮期血圧に関しては低下傾向は認められが、コントロール値との間に有意差はなかった。血漿ノルアドレナリンおよびコルチゾール濃度は15〜90分に有意差のある低下を認めた。したがって、2μ/kgの静脈内投与で、一般的に懸念されているような徐脈や低血圧の発現はみられなかった。また、刺激によるストレスホルモンの増加は認められずむしろこれらは減少した。自覚的副作用として最も多く認められたのは口喝、倦怠感であり、重篤な副作用の発現はなく静脈内鎮静法に安全に使用できると考えられる。 今後は、実際に使用されている歯科用局所麻酔薬を投与し、循環動態の変動がどの程度抑えられるかを調べる予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 石田 二郎, 他: "クロニジン添加リドカインが麻酔時間と循環動態に与える影響について" 日本歯科麻酔学会雑誌. 26・1. 43-49 (1998)
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[Publications] 岡本 豊, 他: "ラットにおけるミダゾラム麻酔下での交感神経反応抑制に関する実験的研究" 日本歯科麻酔学会雑誌. 26・1. 83-92 (1998)