1996 Fiscal Year Annual Research Report
長基線ニュートリノ振動実験によるニュートリノ質量の研究
Project/Area Number |
08101002
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西川 公一郎 東京大学, 原子核研究所, 教授 (60198439)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 孝信 東京大学, 原子核研究所, 助手 (90134650)
奥野 英城 東京大学, 原子核研究所, 助教授 (10013400)
大山 雄一 高エネルギー物理学研究所, 助手 (30213896)
中村 健蔵 高エネルギー物理学研究所, 教授 (10011735)
|
Keywords | ニュートリノ質量 / ニュートリノ振動 / 加速器ニュートリノ実験 |
Research Abstract |
平成8年度より、本特別推進研究によって、前置検出器(水とシンチレーションファイバーによるターゲット、電子測定のための鉛ガラス、ミューオンのエネルギー測定用の鉄とチェンバー)を設計、テストを行い、平成9年度からは実際の製作にはいる。現在(平成9年3月)までの状況は以下のとおりである。 (1)ミューオン測定用チェンバー 旧トリスタン実験からチェンバー(900台)を解体し、ガスリ-ク、読みだし系のテストを行った。結果数台の修理によって必要なチェンバーが揃うことを確認した。現在宇宙線による総合テスト中。 (2)シンチレーションファイバー (2-1)光量等による選択を行った。結果、クラレ社製のSCSF7 8マルチクラッド0.7mmが最適であり、十分の光量が得られる事を確かめた。またファイバーをシート状に加工出来ることも確認した。 (2-2)経年変化のテストを行った。これまでシンチレーションファイバーは3-4年のうちに劣化することが問題であったが、アルミ蒸着、空気の遮断等により格段に長持ちすることが分かった。 (2-3)実機製作のためのシンチレーションファイバーの線材から、そのシート製作用の機具を製作した。平成9年度より実機用シンチレーションファイバーシ-の製作を開始する。 (3)シンチレーションファイバー読み出しのためのイメージインテンシファイア-の機種の評価 多量のファイバーを読み出すためには、大口径のイメージインテンシファイア-が必要であり、浜松ホトニクス社製のイメージインテンシファイア-の組み合わせが最適であるとの結論を得た。上記ファイバーとの組み合わせで放射線源によるテストを行い、99%以上の検出効率が達成出来ることを確認した。 (4)水ターゲットの設計、テスト プロトタイプを製作した。 (5)鉛ガラス 原子核研究所電子シンクロトロンからの電子ビームによる更生を行った。またゼノンランプ、ファイバーによるモニターシステムを組み上げ、現在調整中である。 (6)ニュートリノビーム生成用電磁ホーンの通電時の熱、歪テストを行い、設計許容範囲内の結果を得た。
|
-
[Publications] Koichiro Nishikawa: "Present and future neutrino oscillation experiments in Japan" Proc.of the fourth KEK topical conference on flavor physics,Oct.29-31,1996.
-
[Publications] Koichiro Nishikawa: "Present and Future neutrino experiments and high intensity proton accerators in Japan" Proc.of the 25th INS internat.symp.on nucl.and particle phys.with high-intensity proton accel.
-
[Publications] Masayuki Etoh et.al.: "Scintillating fiber detector for KEK-PS E362" Tokai Univeristy bulletin 1996.