1999 Fiscal Year Annual Research Report
5次元ディジタル信号処理によるパルサーサーベイと重力理論の検証
Project/Area Number |
08102010
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大師堂 経明 早稲田大学, 教育学部, 教授 (10112989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 恵一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (70199610)
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Keywords | パルサー / 干渉計 / FFT / 光ファイバー / ディジタル信号処理 / 重力理論 / 電波天文学 / A / D変換 |
Research Abstract |
《空間時間FFTプロセッサーにおけるビットシフトとユニタリー性》 ハードウェアとして完成した空間時間FFTプロセッサーの制御ソフトの開発をすすめた。FFTは乗算と加算を繰り返していくために、バタフライ演算の段数を下るに連れて、演算結果の語長は伸びて行く。この語長は観測の要求を満たす範囲でできるだけ小さくすることが望ましい。要は、入力信号のダイナミックレンジは、できるだけ大きく、追加語長はできるだけ小さくするのがよい。本装置は、空間FFT処理と時間FFT処理を同一トポロジーの構造のプロセッサーで行うので、語長にかんしても統一的に扱えることが、のぞましい。そこで、複素フーリエ変換のユニタリー性を調べてみた。FFTは複素フーリエ変換をlogN段の繰り返しバタフライ演算に分解するので、2段ごとに1ビットのシフトを行えば、ユニタリー性が満たされ、オーバーフローやアンダーフローを起こさない。本研究で開発したFFTプロセッサーは、Radix-4の構造のLSIを採用した。これは2x2の4個のバタフライ演算(つまり2段)をひとまとめにしたことに当たるので、LSIの出口で1ビットシフトすれば、どの場所でも処理に問題を生じない。この考察により、FFTプロセッサーの語長制御は見通しのよい、単純なものになった。 《C++によるFFTプロセッサー制御用ソフトウエア》 ハードウエア制御の基本的な命令は、そのままでは一般ユーザーの利用には向かない。この問題を解決するために、オブジェクト指向言語C++による、大規模なソフトウエアを、助手の田中が開発した。カプセル化された構造により、ユーザーは関連分野のユーティリティのみを記述するだけでよい。 《光ファイバーとE/O、O/Eモジュールの接続》 今年度(1999)の経費で、E/O、O/Eモジュールを9月に購入し、2000箇所の半田付けを、研究室で行った。高価なLSIであり、慎重な作業を必要とするため、時間がかかったが、10月末にすべて動作が確認できた。2000年度2-3月のタイミング調整により、アンテナの信号をアンテナ直下のA/D変換器でベースバンドディジタル信号に変換し、ビット並列光ファイバーケーブルでプロセッサーに導くことに成功した。 《海外での評価》 2000年3月に、ミュンヘンで"21世紀の天体物理学と観測装置"のシンポジウムがSPIE主催で開催される。8m鏡4台を建設したヨーロッパ南天天文台、日米の8m,10m鏡、チャンドラー、アストロEなどのX線天文学、大型サブミリ波干渉計、ハッブル後の宇宙望遠鏡など、数百億円から何千億円規模の計画にならんで、本特別推進研究による成果が招待講演に採用された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] N. Tanaka, T. Daishido, et al.: "Radix-4 Butterfly LSI in Direct Imaging waseda Radio Interferometer for Pulsar Survey"publ. Astrom. Soc, Japan. Vol. 52, N3 (in press). (2000)
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[Publications] H. Takeuchi, ・・・ T.Daishido: "The Minimum Spanning Tree Problem in the Phase Calibration for the Spatial FFT Interferometer"Publ. Astrom. Soc. Japan. Vol. 52, N2 (in press). (2000)
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[Publications] N. Sakai, I. Yokoyama, K.Maeda: "Monopole Inflation in Brans-Dicke Theory"Phys. Rev.. D59. 103504 (1999)