1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08206102
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
岡田 進 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (60014445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中江 幸雄 立教大学, 経済学部, 教授 (70155662)
酒井 正三郎 中央大学, 商学部, 教授 (10138612)
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Keywords | 権限分割条約 / 地方分権・自治 / 独立国家共同体(CIS) / CIS経済同盟 / 多国籍金融産業グループ / 西側金融支援 / 資本・貿易取引自由化 / コンディショナリティ |
Research Abstract |
「ロシア連邦内の地域間ネットワークの形式」(担当・中江)では、統一国家の体裁をとるロシアが事実上21の共和国の連合であり、つねに分裂(分離)の契機をはらんでいることを、92年以降の連邦中央と各共和国との権力関係・財政構造を中心に、文献資料からフォローした。また旧共産圏で最も地方分権・自治の制度化が進んでいるハンガリーに出張してその実状を確認した。その結果、市場移行国においても統一国家は集権的でなければならず、その中央権力の民主性とその枠内での地方分権・自治が追求されるべきで、その点ロシアは連携よりも対立の要因を抱え、市場移行の障害にもなっている、との結論に達した。 CIS再統合問題(担当・岡田)にかんしては、まず、ソ連邦解体後のCIS諸国の経済危機の実態を統計的に把握するとともに、それがどの程度連邦解体に直接起因するかを見るために、解体の前と後との共和国相互間の経済関係を、貿易、投資、支払い決済関係、取引価格、人口移動などの比較によって整理した。ここから、各国の利害の不一致から再統合を困難にしている事情と、長期的・構造的に見たCIS諸国にとっての経済統合の必要性とを統一的に理解すべきこと、そのさいロシアの独自の地位に留意すべきこと、などの新たな知見が得られた。 「システム転換と西側支援」(担当・酒井)は、ロシアの移行経済の特質がいかなる国際的条件のもとで形成されているかを、西側政府・機関による対ロシア支援や資本・貿易関係の分析を通じて明らかにした。その結果、ロシアが未だ再生への出口を見いだしえていない主な原因は、G7、INF、世銀等による「援助」を見返りとした総需要抑制策と資本・貿易取引自由化のロシア経済への強制にあるとの結論に達した。企業間債務の累積や製造業の低迷、他方で外資導入が進む採掘産業の復興というロシア産業の跛行性は、移行期ロシアを取り巻くかかる国際的条件の結果であると言える。以上の研究成果は近く発表の予定である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 中江幸雄: "比較経済体制分析の課題と方法" ロシア・ユーラシア経済調査資料. 768号. 21-34 (1996)
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[Publications] 酒井正三郎: "社会主義経済の停滞" 講座「世界史」第10巻「第三世界の挑戦」(東大出版会)所載. 293-314 (1996)
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[Publications] 酒井正三郎: "エリツィン再選戦略とロシア経済" 経済. 6月号. 92-93 (1996)
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[Publications] 酒井正三郎: "(書評)溝端佐登史「ロシア経済・経営システム研究」" 経済. 7月号. 144-145 (1996)
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[Publications] 岡田進: "ロシア・ケインジアンの診断と処方箋" ロシア・ユーラシア経済調査資料. 774号. 33-46 (1996)
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[Publications] 岡田進: "新しい社会主義像とロシアの移行経済の展望" ロシア・ユーラシア経済調査資料. 777号. 26-35 (1997)
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[Publications] 中江幸雄: "比較経済システム論" 晃洋書房, 210 (1996)
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[Publications] 岡田進(共著): "ソ連崩壊と新しい社会主義像" 時潮社, 219 (1996)