1996 Fiscal Year Annual Research Report
認知的、構造的、統計的手法を導入した画像データベースの索引、検索法の基礎的研究
Project/Area Number |
08207112
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
上田 修一 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (50134218)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越塚 美加 学術情報センター, 研究開発部, 助手 (70270444)
神門 典子 学術情報センター, 研究開発部, 助手 (80270445)
|
Keywords | 画像データベース / 情報検索 / 索引法 |
Research Abstract |
この研究では,画像(静止画像,映像を含む)の検索を「ことば」によって行うことを目的としている。例えば,絵画を例にとるなら,画家名や画題,時代から絵を探す検索システムは美術館には数多く存在している。ここでは,そうした固有名ではなく画像に描かれているものから検索できるデータベースを作ろうとしている。これには,大きな問題がありうる。画像に描かれた内容をことばで表す際には,主観に左右されるはずだという疑問が生じる。では,画像をみたら,それぞれの観察者が与える牽引語は千差万別で共通性はないのだろうか。そこで,画像に対する索引語付与実験を生み重ねてきた。この結果からは,被験者は大多数の画像において,共通性の高い牽引語を与える傾向がみられる。その際に,あらかじめ枠を設けておくとさらに共通性が高まることになる。すなわち,ただ,「主題」というのではなく,例えば「人物」「背景」「時間」というようなカテゴリを設定した方がよい。しかし,このカテゴリは多すぎると混乱を招くことになる。そこで,適当な枠を設けるために,被験者が与えた索引語を分析して,普通,人間が画像を見る時に,どのように視点を移動させていくかを調べている。 こうした方法で,いくつかの索引法を用いて,西洋絵画とその索引語などを入力した250件からなるデータベースを構築した。 一方,検索においては,現在,広く使われている論理型(ブール演算子を用いる)の検索手法よりも,類似した画像を順位付け出力ができる手法が,画像の検索では適していることを確かめた。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 上田修一: "画像の認知の枠組みと索引法" 情報処理学会研究報告(人文科学とコンピュータ). 96 (113). 55-60 (1996)
-
[Publications] 上田修一: "絵画の検索法" アート・ドキュメンテーション研究. 5. (1996)
-
[Publications] 上田修一: "ベクトル型検索手法による絵画データベースの検索" 情報処理学会研究報告(情報学基礎). 96 (34). 9-16 (1996)