1996 Fiscal Year Annual Research Report
三次元形状計測を用いた考古遺物の形状比較法の研究(2)
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08207244
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Research Institution | (財)元興寺文化財研究所 |
Principal Investigator |
塚本 敏夫 (財)元興寺文化財研究所, 保存科学センター, 研究員 (30241269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森下 章司 京都大学, 大学院・文学研究科, 助手 (00210162)
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Keywords | 三次元形状計測 / 考古学 / 形状比較法 / 文化財 / モデリング / CAD / レプリカ / 遺物計測 |
Research Abstract |
今年度は昨年度の研究成果を基に同笵・同型の判定での検証試験を中心に行った。 その結果,形状比較法としては特徴点の有無により比較法等を換えなければならないことが判明した。特徴点があるものについては昨年開発した特徴点制御による比較ソフトを使用し,青銅製の鈴杏葉及び,銅鏡での同笵・非同笵関係の判定を行い,さらに,土製の瓦でその有効性を確認した。また,特徴点がない遺物についても銅剣を計測対象として三次元計測で得られた形状データの立体比較結果とともに計測した部分的な形状データ群をクラスター分析で解析することによって,より精度の高い解析を行うことができた。本年度の研究を通じて考古遺物のうち,型成形による遺物の同笵・同型品の判定に三次元計測による立体形状比較法がある程度適用できることを確認できた。今後の形状比較法の新しい手法として期待される。 本年度のテーマである埴輪の刷毛目については特徴点制御法でデータ解析を試みたが,埴輪の場合,個体毎に刷毛目の施されている母体の形状が異なるため,立体的な比較には難しいことが判明した。(任意断面の2次元的な形状比較が重要であり,この断面データでの比較を行いその判定が可能であることが判明している。)今後,特徴点無しの手法を用いて断面計測データ群ごとの比較をクラスター分析をもちいて行う予定である。 また、今回研究テーマからは多少それるが三次元計測の遺構への応用及びレプリカの作製を行い、遺構計測への応用の可能性と遺物面が脆弱で接触しての型が取れない遺物についてのデータの保存及びレプリカの作製について三次元計測の有効性を確認できた。
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