1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08208102
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Osaka University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
西村 成雄 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (60030160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鉄山 博 大阪商業大学, 商経学部, 助教授 (10227499)
村田 雄二郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (70190923)
蔡 建国 新潟国際情報大学, 情報文化学部, 教授 (40278065)
上田 信 立教大学, 文学部, 教授 (90151802)
古厩 忠夫 新潟大学, 人文学部, 教授 (30018642)
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Keywords | 政党国家(party-state system) / 中華ナショナリズム(「中華民族」イデオロギー) / 近代ナショナリズム(国民国家イデオロギー) / 人民・国民・公民 / 社会・生態システム / 伝統経済と近代市場経済 / 政治文化の近代化 / 伝統思想の近代的変容 |
Research Abstract |
本研究課題として以下の社会的諸空間における歴史的連続と不連続を解明した。 政治空間では、20世紀中国ナショナリズムを構成する中華ナショナリズム(「中華民族」イデオロギー)と近代ナショナリズム(国民国家イデオロギー)のそれぞれの固有の空間と、それらの交錯する局面をとりあげつつ、それらの歴史的連続と不連続の交錯現象が解明・再定義された。(西村成雄)。また、20世紀前半期(清末民国期)の中国ナショナリズムには、伝統的要素と近代的要素の複雑な絡み合いが見られるが、しかし総体としていえば、主権・領域国家としての「中国」は世界標準モデルとでもいうべきネーション・ステートの形成に向かい、さらに、そうした動きは人民共和国の時期にも継承され、強化されていったことなどの特質が明らかにされた(村田雄二郎)。 社会空間では、政党国家(party-state system)として持続する構造のなかで、中国における人民・公民・中華民族概念は重層構造を形づくりつつ、状況の変化に対応して使い分けられていることが明らかにされた(古厩忠夫)。また、長期的スパンをもった森林史・環境保護・緑化運動などの新しい視点からの分析が開始された。その場合、森林破壊の進行のなかで宗族や風水説により森林が保護されてきた歴史があり、環境保護には政治的解決よりも社会の建設・自立、下からの取り組みの重要性が指摘された(上田信)。 経済空間では、中国伝統農業における特質である 協力・共同関係と小農経営を分析し、それらと人民公社、農業生産責任制との継承・発展関係も検討された(鉄山博)。 思想空間では、伝統思想と近代思想の相互浸透関係の解明がめざされた。蔡元培の近代化思想は「兼容并包」理念にもとづいた中国伝統思想を基盤としながら西洋思想を受容してゆく文明融合論であり、これにより中国社会を建設しようとするものであったことが考察された(蔡建国)。
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Research Products
(28 results)
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[Publications] 西村 成雄: "張啓雄報告へのコメント" 山室信一編『国際シンポジウム 日本・中国・朝鮮間の相互認識と誤解の表象』. 京都大学人文科学研究所 共同研究資料叢刊、第1号. 59-67 (1997)
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[Publications] 西村 成雄: "歴史連続性与二十世紀中国的政治空間" 『二十一世紀』(香港中文大学・中国文化研究所). 1998年12月号 第50期. 39-46 (1998)
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[Publications] 西村 成雄: "方法としての中国20世紀史の試み" 『野草』(中国文芸研究会). 1998年12月号 第61号. 24-40 (1998)
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[Publications] 古厩 忠夫: "上海的発展和伝統" 『史林』(上海社会科学院歴史研究所). 1999年第1期(掲載予定). (1999)
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[Publications] 古厩 忠夫: "上海クレオール 1998年" 『東方』. 216号. (1999)
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[Publications] 上田 信: "トラの眼から見た地域開発史-中国黄山における生態システムの変容" 『地球の環境と開発』岩波書店. 岩波講座:開発と文化5. 219-237 (1998)
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[Publications] 上田 信: "史的システム論と情報流-十八世紀中国森林史のために-" 神奈川大学中国語学科編『中国民衆史への視座』東方書店. 271-294 (1998)
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[Publications] 上田 信: "〈山林権属〉と森林保護-16世紀〜現代、九嶺山の事例-" 現代中国研究. 2号. 14-31 (1998)
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[Publications] 蔡 建国: "近代中国知識人における文化近代化思想の論理" 『山田辰雄先生還暦論文集』勁章書房. (1999年近刊予定). (1999)
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[Publications] 蔡 建国: "蔡元培精神的時代意義" 『蔡元培研究記念論文集』北京大学(1999年近刊). (1999)
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[Publications] 蔡 建国: "在日中国人与中日関係" 新華僑. 1998年4月号. (1998)
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[Publications] 蔡 建国: "蔡元塔とドイツ文化" 『中国社会与歴史』(ドイツ・ベルリン中国センター). (1998)
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[Publications] 蔡 建国: "蔡元培与孫中山的三民主義" 『孫中山与現代文明』(論文集)蘇州大学出版社. (1997)
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[Publications] 蔡 建国: "民智的開発与近代化-明治日本与清末中国的西洋認識" 『中国近代城市企業・社会・空間』(論文輯)、上海社会科学出版社. (1997)
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[Publications] 蔡 建国: "伝統与近代化之間-蔡元培文化思想再論" 『史林』(上海社会科学院歴史研究所). 1996年第3期. (1997)
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[Publications] 蔡 建国: "宋慶齢、蔡元培民族主義思想研究" 『宋慶齢与中国抗日戦争』論文集、上海人民出版社. (1997)
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[Publications] 村田雄二郎: "五四時期の国語統一論争-『白話』から『国語』へ-" 『転形期における中国の知識人』汲古書院. 3-39 (1999)
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[Publications] 村田雄二郎: "中華ナショナリズムの表象-顧頡剛における〈民族〉と〈文化〉-" 『江戸の思想』第8号、ぺりかん社. 84-96 (1998)
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[Publications] 村田雄二郎: "多文化主義と中国の少数民族政策" 『NIRA政策研究』. Vol.10 No.2. 26-30 (1998)
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[Publications] 村田雄二郎: "研究ノート「もう一つの簡体字-漢字とナショナリズム-」" 田中克彦ほか編『言語・国家そして権力』ライブラリ相関社会科学. 第4号(新世社). 194-203 (1997)
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[Publications] 鉄山 博: "清代農業における協力・共同関係-「夥」の諸形態-" 『大阪商業大学論集』. 第112号・113合併号. 361-385 (1999)
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[Publications] 鉄山 博: "中国の伝統的農業経済とその近代的変容" 松田孝一編著『東洋経済史概論』世界思想社. (1999年4月刊行予定). (1999)
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[Publications] 西村 成雄: "曽淑卿譯『張学良-「満州」與日中之覇権』(中国語翻訳書)" (台湾)国立編譯館, 6+229 (1998)
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[Publications] 上田 信: "『森と緑の中国史-エコロジカル・ヒストリーの試み』(仮題)" 岩波書店(1999年4月発行予定), (1999)
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[Publications] 上田 信: "『黄砂の村をゆく-中国黄土高原の緑化に挑むNGO-』" 緑の地球ネットワーク, 55 (1998)
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[Publications] 蔡 建国: "『蔡元培:東西文明の間』(ドイツで翻訳され出版)" リト出版社(ドイツ), (1998)
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[Publications] 蔡 建国: "『現代日本城市管理』1-9巻(編集長)" 上海遠東出版社, (1998)
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[Publications] 鉄山 博: "『清代農業経済史研究-構造と周辺の視角から』" 御茶の水書房, 243 (1999)