1996 Fiscal Year Annual Research Report
「現代中国における国家・社会関係一一社会変動の構図」
Project/Area Number |
08208106
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
菱田 雅晴 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (00199001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
厳 善平 桃山学院大学, 経済学部, 助教授 (00248056)
園田 茂人 中央大学, 文学部, 助教授 (10206683)
大島 一二 東京農業大学, 農学部, 助教授 (40194138)
中村 則弘 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (10192676)
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Keywords | 現代中国 / 社会変動 / 国家・社会関係 / 出稼ぎ労働 / 中間層 / 労働移動 / 階層移動 / 職業威信 |
Research Abstract |
平成8〜10年度の3カ年を対象とする当計画研究「現代中国の国家・社会関係一一社会変動の構図」班は、その初年度において、<総括研究>における《国家・社会関係》フレームワークの概念整理とその下での<小項目研究>としての個別研究の準備作業を行い、以下の通りの新たな知見を得た。 1<総括研究>では、「党=国家体制」の変質と「市民社会」の両者は,密接に連関するものの,必ずしも同一のものを意味するとは限らないこと、すなわち、市民社会の勃興,より自律的な社会組織,集団の誕生・生成が、プレ改革期の権威主義的社会から,民主諸制度の誕生をもたらす必要条件ではあっても,それ自身が、現存する権威主義的《国家・社会関係》の瓦解を自動的に保証するものではないことが明らかとなった。 2<個別研究>では、(1)私営企業経営者が、政治への参加意欲や現状変革の志向を強く有していること、(2)都市・農村間の労働移動に関しては、プル要因としての都市側からのより強い吸引力が存在する一方、プッシュ要因もなお出身地に存在すること、(3)地域間労働移動は、以前として、基本的に血縁・地縁という原始的な社会関係に基づいていること、(5)社会的階層移動に関する職業威信調査では、「収入」「尊敬」「技能」等の項目が重視されるようになったのに対して、「負担」や「安定性」への評価が低くなっていること、などが明らかとなった。
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[Publications] 菱田雅晴: "「社会情況と大衆の意識変化」" 中国総覧. 96年版. 428-436 (1996)
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[Publications] 菱田雅晴: "「中国社会の変貌」" 日中経協ジャーナル. No.31. 39-45 (1996)
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[Publications] 菱田雅晴: "「社会構造の変動分析」" シリーズ中国領域研究. 第1号. 15-19 (1996)
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[Publications] 園田茂人: "「続・中国の『中間階層』問題によせて」" 中国研究月報. 第578号. 50-51 (1996)
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[Publications] 巌善平: "「中国の大都市における「民工」の生態」" 東亜. 第352号. 18-34 (1996)
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[Publications] 巌善平: "「中国における農村労働力の地域間移動とその社会経済的影響」" 日中経協ジャーナル. No.38. 19-27 (1996)
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[Publications] 大島一二: "中国の出稼ぎ労働者" 芦書房, 176 (1996)
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[Publications] 園田茂人: "中国投資はなぜ失敗するか" 亜紀書房, 249 (1996)