1998 Fiscal Year Annual Research Report
医療施設調査と患者調査のリンケージによる情報量の拡張
Project/Area Number |
08209123
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
近藤 健文 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (20234940)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 和幸 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助教授 (80254465)
島田 直樹 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (90255430)
府川 哲夫 国立社会保障, 人口問題研究所, 部長 (60228872)
吉村 功 東京理科大学, 工学部, 教授 (30010797)
|
Keywords | 医療施設調査 / 患者調査 / 病院報告 / レコードリンケージ |
Research Abstract |
平成5年の医療施設静態調査、患者調査、および病院報告の各個票データのリンケージによる情報量の拡張の可能性について検討した。具体的には、個票データを使用して以下の研究を実施した。 1) 一般病院を対象として、年間平均在院日数と病院特性および患者特性との関連について検討した(近藤、島田)。その結果、年間平均在院日数と病院特性および患者特性との間には様々な関連が認められ、特に10日未満と100日以上の2つの群は、他の群とは異なった特性を有していた。さらに、年間平均在院日数別にみた入院および外来の主傷病より、10日未満の群には産科病院および泌尿器科病院が、100日以上の群には精神病床を主とする病院が多く含まれていることが示唆された。 2) 患者調査から得られる指標の地域ブロック間格差について検討した(府川)。その結果、受療率によって地域ブロックを作成したところ、入院比率、退院率、平均在院日数は地域格差が大きかったが、治癒・軽快率は地域格差が小さかった。さらに傷病、退院事由もこれらの指標に関連しており、また6ヶ月以上の長期入院が地域格差の要因として重要であることが明らかになった。 3) 患者調査の退院患者平均在院日数と、患者調査のデータに病院報告の算出方法を適用した平均在院日数を比較検討した(松浦)。その結果、両者の相関関係は年齢階級が上昇するにつれて強くなり、総数では年齢階級別よりも強い関係であった。また、年齢階級が上昇するにつれて、患者調査の退院患者平均在院日数の方が大きくなる割合が高かった。 さらに近藤、島田は、平成8年の医療施設静態調査、患者調査、病院報告、および受療行動調査の各個票データを使用して「一般病院における病院選択理由および病院満足度に関連する要因の検討」、「一般病院の従事者数を決定する要因の検討」の2つの研究を実施中である。
|
-
[Publications] 松浦和幸: "寄与分解による入院受診率の都道府県比較" 兵庫県立看護大学紀要. 4. 17-30 (1997)
-
[Publications] 松浦和幸: "寄与分解による老人医療費の都道府県比較" 兵庫県立看護大学紀要. 5. 27-43 (1998)
-
[Publications] 松浦和幸: "平均在院日数の都道府県格差の分析" 厚生の指標. 46・1. 24-35 (1999)
-
[Publications] 松浦和幸: "患者データのレセプトベースへの変換方法" 兵庫県立看護大学紀要. 6. (1999)