1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08211231
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上 正明 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (80134443)
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Keywords | 4次元多様体 / ゲージ理論 / Seiberg-Witten不変量 / Donaldson不変量 / 群作用 / 随伴不等式 / 楕円曲面 / 有理曲面 |
Research Abstract |
ゲージ理論,Seiberg-Witten理論の4次元多様体の構造研究に対する応用を考察した.任意の3次元球面多様体の基本群Gに対し,4次元多様体で無限個の異なるエキゾチックな自由G作用を許容する例を構成した.ここで与えた例は,軌道空間が楕円曲面から派生した単連結な4次元多様体とGを基本群とする有理ホモロジー4球面の連結和のなるものであり,その微分構造は次数0のDonaldson不変量の評価によって区別した.一方Seiberg-Witten理論の進展を考慮して,単連結4次元多様体Xと有理ホモロジー4球面の連結和の形の多様体Yを考察し,YとXのDonaldson不変量,Seiberg-Witten不変量同志の関係は,Yの基本群の1次元ホモロジー群のみで記述できることを示し,あわせてWittenが物理的観点から述べたDonaldson,Seiberg-Witten不変量間の関係式をもしXがみたすならYもみたすことを示した.その応用として,前述の結果をより一般化した形でSeiberg-Witten不変量により再証明できることも示した.また有理ホモロジー4球面の方を取り替えることにより,Donaldson,Seiberg-Witten不変量が,4次元多様体の同変交叉形式の違いを反映しない例も示した.さらに,b^+_2=1となる4次元多様体の2次元ホモロジー群の元を表す曲面の種類の評価(随伴不等式)をSeiberg-Witten class(計量のとりかたに依存)のある条件のもとで,シンプレクティック構造の存在の仮定なしに導いた(シンプレティックな場合はすでに別の定式化が知られている).またblow-upされた有理曲面や多重ファイバーをもたない楕円曲面の2次元ホモロジー群の元がある条件のもと,随伴不等式において等号がなりたつような曲面の埋め込みで実現できることを示した.
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Research Products
(1 results)