1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08211237
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
満渕 俊樹 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80116102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹腰 見昭 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20188171)
今野 一宏 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10186869)
難波 誠 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60004462)
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Keywords | ケーラー多様体 / 相対エントロピー / モジュライ空間 / 運動量写像 / アインシュタイン=ケーラー計量 / 多重種数 / 森理論の局所化 / 複素幾何 |
Research Abstract |
相対エントロピーとは確率分布族のモジュライ空間上で定められる距離関数に類似した量で、モジュライ空間に自然なリーマン計量を定める。特に、運動量写像や上記のリーマン計量を介して、多項分布の双対として複素射影空間上の標準的なアインシュタイン=ケーラー計量が得られることが知られている。これは情報幾何における相対エントロピーという概念が、ケーラー多様体上でのある種の非線形可積分系やモジュライ空間、更には適当なシンメトリーの下での運動量写像と何らか深くかかわっていることを示唆している。こういう観点から、シンプレクティック構造の退化した場合の運動量写像の研究を小田(昌史)、野田(知宣)両氏と共同で行った。また類似の観点から、アインシュタイン=ケーラー計量とモジュライ空間の関わりについてのティアンの最近の仕事の整理及び見直しを、シンガポール大学のLin Weng氏と共同で推し進めた。 一方、ケーラー多様上の(上記の相対エントロピーを含めた)より一般的な諸構造の系統的研究が、例えばmultiplier ideal sheaf,HoгmanderのL^2-method、特異エルミート計量等の道具を用いて新たな展開を見せようとしている。これは重要な方向性として“森理論の局所化"の前段階を含むが、こうした新しい視点から多重種数の変形不変性予想をとらえ直す作業を、辻元氏と共同で行っている。また、これら活動の一環として、1996年11月5日から8日まで、菅平に於て、少数精鋭方式の研究集会“複素幾何シンポジウム"を24名の参加者を以てとり行った。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Mabuchi: "Orthogonality in the Geometry of L^P-spaces" in“Geometric Complex Analysis",World Scientific Publ.Co.409-417 (1996)
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[Publications] M.Namba: "On representations of the third braid group and a problem of Fenchel" in “Geometric Complex Analysis",World Scientific Publ.Co.485-488 (1996)
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[Publications] K.Konno: "Alower bound of the slope of trigonal fibrations" International J.Math.7・1. 19-27 (1996)
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[Publications] K.Takegoshi: "A degeneration of Leray spectral sequence by proper Kahler morphisms" in “Geometric Complex Analysis",World Scientific Publ.Co.609-616 (1996)