1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08212212
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
松岡 勝 理化学研究所, 宇宙放射線研究室, 主任研究員 (30013668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三原 建弘 理化学研究所, 宇宙放射線研究室, 研究員 (20260200)
河合 誠之 理化学研究所, 宇宙放射線研究室, 副主任研究員 (80195031)
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Keywords | X線天文学 / 活動銀河 / X線観測 / 宇宙X線背景放射 / セイファート銀河 / クエサ- |
Research Abstract |
この研究は種類の異る活動銀河の性質を調べ活動銀河の共通性と宇宙X線背景放射の起源について追及をすすめた。 1型のセイファート銀河ではOVIIやOVIIIの吸収線を示す高温のガスが充満していることがほぼ共通の性質として見つかった。しかし、2型セイファート銀河ではこの吸収線が見つかっていない。このことはOVIIやOVIIIの吸収を起こす高温ガスは活動銀河核の中心近くにあるため、2型セイファート銀河に特有な濃いガスが中心核近くを隠しているためと解釈される。このことは、Circinus銀河と言う2型セイファート銀河のX線観測で特徴づけられた。Circinus銀河のX線スペクトルは6.4keVの鉄の輝線が強くスペクトルはフラットで、主として散乱と蛍光のX線から成っていると解釈された。このスペクトルは連星X線パルサーのX線スペクトルのうちパルサーが隠された散乱と蛍光のみから成るスペクトルに酷似している。 一方、強い電波をだすクエサ-で距離の遠いもの(z>1)に限って10個のX線スペクトルを調べたところ7つのクエサ-でそれ自身が比較的強いガスで覆われていることがわかった。つまりX線のスペクトルから吸収ガスの柱密度をだしたところ、7割が21センチ波で決められているわが銀河系内ののガスよりも大きな吸収を受けていることが分かった。 吸収をうけたX線スペクトルは一般に冪指数が小さくなる。これらを足し合わせるとX線の背景放射のスペクトルが説明できる。X線冪指数の小さい活動銀河核の数の分布とX線光度の分布を調べて、X線背景放射の構成要素となる活動銀河は比較的X線光度の弱い活動銀河で吸収を受けて冪指数が小さくなっているか、それ自身冪が小さい活動銀であるとの結論を得た。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K.Iwasawa,M.Matsuoka et al.: "The variable iron K emission line in MCG-6-30-15" Morthly Notice Royal Astronomical Society. 282巻. 1038-1048 (1996)
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[Publications] C.Otani,M.Matsuoka et al.: "The variable OVIII warm absorber in MCG-6-30-15" Publication Astronomical Society of Japan. 48巻. 211-218 (1996)
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[Publications] J.Siebert,M.Matsuoka T.Mihara et al.: "ASCA observations of high redshift quasars" Astronomy and Astrophysics. 307巻. 8-14 (1996)
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[Publications] M.Cappi,T.Mihara,M.Matsuoka et al: "Is the X-ray spectrum of Seyfert 2 NGC5252 intrinsically flat?" Astrophysical Journal. 456巻. 141-151 (1996)
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[Publications] M.Cappi,T.Mihara,M.Matsuoka et al: "Warm absorber,reflection and Fe K line in the X-ray spectrum of IC4329A" Astrophysical Journal. 458巻. 149-159 (1996)