1996 Fiscal Year Annual Research Report
インビーム・メスバウア分光による希ガス固体中の鉄原子のジャンプ過程
Project/Area Number |
08213102
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Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
吉田 豊 静岡理工科大学, 理工学部, 助教授 (40241129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
那須 三郎 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (00030057)
小林 義男 理化学研究所, 核化学, 研究員 (30221245)
安部 文敏 理化学研究所, 核化学, 主任研究員 (50087491)
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Keywords | 希ガス固体 / アルゴン / キセノン / メスバウア分光 / 格子間原子 / ジャンプ過程 / マトリックス孤立法 |
Research Abstract |
【目的】クーロン励起された短寿命の"メスバウア励起核^<57>Fe"を、反跳エネルギーを利用して固体アルゴン等の希ガス固体中に注入し,その直後数百ナノ秒のインビーム・メスバウアスペクトルを測定する。これにより、希ガス固体中の孤立した^<57>Fe原子のジャンプ過程や電子状態を調べることを目的とした。 【結果】 1.パーソナルコンピュータを利用した遠隔操作のための新しい測定装置制御システムと、ファーストタイミング計測システムを完成させた。 2.蒸着薄膜^<57>FeAl、^<57>FeTiを電子ビーム溶解による2元同時蒸着で作製し、新しいパラレル・プレート・アバランチ・カウンター(PPAC)の製作を目指したが、化学量論組成の蒸着薄膜が現在までのところ得られず、現在尚、開発中である。従来のステンレス箔を利用したPPACを改良し、S/N比の大幅な向上に成功した。 3.希ガス固体作製方法をさらに改良し、再結晶温度以上で熱処理した良質の固体Arや固体Xe結晶を作製することに成功した。 4.10月と1月に実験を行ない、固体アルゴン、キセノン中の^<57>インビーム・メスバウアスペクトル測定に成功した。5Kで得られたスペクトルは共に2本の線幅の拡がったローレンツ関数の重ね合わせでフィットでき、+0.7mm/sの成分はこれまでに報告されている中性のFe^0(3d^64s^2)のアイソマ-・シフトに一致する。一方、-1.0〜3.0mm/sの成分は固体ArとXeで異なる。また、スペクトルは動的効果を含んでおり、Fe原子は局所ジャンプを5Kですでに行なっていると考えられる。 5.高イオン価状態の有無を確かめるために、±12mm/sのドップラ速度の範囲でも測定を行なったが、得られた統計精度ではその存在は明らかではない。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.Yoshida: "In-Beam Mossbauer Study on ^<57>Fe in Solid Arand Xe" JHP-Supplement. 20. 359-362 (1996)
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[Publications] Y.Yoshida: "In-Beam Mossbauer Study on Pare Iron using ^<57>Fe Cd. ps ^<57>Fe reaction" RIKEN Acced. Prog, Rep. 29. 111-111 (1996)
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[Publications] K.Kobayashi: "Mossbauer spectvossopyusing ^<57>Mn beam trom the RIPS of RIKEN" JHP-Supplement. 20. 369-371 (1996)
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[Publications] Y.Yoshida: "In-Beam Mossbauer Spectroscopycy ^<57>Fe in Solid Arand Sulaxe after Conlonb Toxcitation" RIKEN Accel. Prog. Rep.30. (1997)
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[Publications] 吉田豊: "インビーム・メスバウア分光による固体アルゴン・キセノン中のFe原子" KURRI-TRI京大原子炉、専門研究会報告書. (1997)