1996 Fiscal Year Annual Research Report
フォトニックバンド構造における量子化された光波・電子波間の相互作用の検証
Project/Area Number |
08217207
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
馬場 俊彦 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (50202271)
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Keywords | フォトニックバンド / 微小共振器 / 自然放出制御 / GaInAsP / InP / 反応性イオンビームエッチング / 量子位相 |
Research Abstract |
フォトニックバンド構造は光学半波長周期をもつ多次元構造である.特に半導体円柱配列からなる2次元構造は,効果的な光波・電子波の相互作用と単純な製作プロセスが両立できることから超高効率発光素子への発展が期待されている.本研究では,同構造の最大の特長であるフォトニックバンドギャップという光の禁制帯の直接観測を目的とし,実験主体の研究を行った.製作には加工損傷や表面再結合の問題が少ないGaInAsP/InP半導体を採用し,これに電子ビーム描画と反応性イオンビームエッチングを施すことで円柱構造を形成した.配列ピッチは0.5〜1ミクロン,太さは0.2〜0.4ミクロン,高さは1.5ミクロンと極めてアスペクト比の大きい微細構造である.本研究ではメタン系ガスを用い,円柱の側壁荒さ2ナノメータ以下の平滑な円柱の形成に成功した.このときイオンの加速電圧を200Vと低めに設定することで,側壁の結晶損傷も数ナノメータ以下と小さくできた.フォトニックパンドギャップは2次元画内の透過スペクトルを測定することで評価できるが,上記のような微細構造に白色光を入射させることが困難である.そこで本研究では光源まで集積化した構造を製作し,光励起によるギャップの一括測定を実現した.その結果,フォトニックバンド計算から予測された波長領域において最大で-4dBの透過光の減衰を確認した.理論的には-20dBの減衰量が予測される.実験値が理論値に比べて不足するのは,柱の垂直性の不足によりフォトニック結晶の波長特性がぼやけてしまったためと考えられる.ただしギャップの周波数帯が理論と一致したことから,理論計算の妥当性が証明できた.これは同ギャップの初の実験的検証であり,物理的概念でしかなかったフォトニックバンド構造を発光素子として実現させる大きな足がかりが得られたものと考える.
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 馬場俊彦,松崎知美,神澤尚久,池田充貴: "GaInAsP/Inp 2次元フォトニック結晶" 光学. Vol.25 no.7. 409-415
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[Publications] T.Baba,N.Kamizawa and M.Ikeda: "Nanofabrication process of GaInAsP/InP 2D photonic crystals by a methane-based reactive ion beam etching techinque" Physica B. vol.227. 415-418
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[Publications] H.Kihara,R.Watanabe and T.Baba: "Lasing characteristics of strained-quantum well microdisk injection lasers" Proceeding of Optoelectronic and Communication Conference. no.16DI-2
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[Publications] S.Niida,T.Tohyama,T.Baba and Y.Kokubun: "Precise control of vertical surface selective deposition (VSSD) of dielectric film by dual ion-beam sputtering technique" Proceeding of Optoelectronic and Communication Conference. no.18P-1
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[Publications] M.Hamasaki,P.Kaewplung,T.Baba,A.Matsutani,: "Improved GaInAsP/InP deep grating DBR for monolithic short cavity lasers" Proceeding of Optoelectronic and Communication Conference. no.18P-31
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[Publications] T.Baba,M.Kihara and R.Watanabe: "Size reduction of GaInAsP/InP microdisk injection lasers for spontaneous emission control" Proceeding of Quantum Optoelectronic Conference. no.QFD3
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[Publications] T.Baba and T.Matsuzaki 分担: "Microcavities and Photonic Bandgaps(Editor by J.Rarity and C.Weisbush)" Kluwer Academic Publishers,
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[Publications] 馬場俊彦,分担: "量子工学ハンドブック(大津元一,荒井泰彦編集)" 朝倉書店, 400